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DeepSeekが約1.1兆円調達へ — ヘッジファンド発のAIスタートアップ、評価額11兆円で2027年IPOを視野に

8月28日、TechStartupsが「DeepSeek nears $7.4 billion funding round at $74 billion valuation ahead of 2027 IPO」と題した記事を公開した。中国AIスタートアップのDeepSeekが、プレマネー評価額約740億ドル(約11兆円)で総額約74億ドル(約1.1兆円)の資金調達ラウンドに近づいており、2027年のIPOを視野に入れているという内容だ。

8月28日、TechStartupsが「DeepSeek nears $7.4 billion funding round at $74 billion valuation ahead of 2027 IPO」と題した記事を公開した。中国AIスタートアップのDeepSeekが、プレマネー評価額約740億ドル(約11兆円)で総額約74億ドル(約1.1兆円)の資金調達ラウンドに近づいており、2027年のIPOを視野に入れているという内容だ。


ヘッジファンド発のAIスタートアップが、約1.1兆円の調達へ

DeepSeekが約500億元(約74億ドル)の資金調達ラウンドを締結間近だと、Wall Street JournalとSouth China Morning Post(SCMP)が報じた。プレマネーバリュエーション(出資前評価額)は約5,000億元(約740億ドル/約11兆円)で、ポストマネーでは約810億ドル規模に達する見込みだ。今回の調達額である約74億ドル(約1.1兆円)は評価額とは別の数字であり、混同しないよう注意が必要だ。ラウンドは8月末のクローズが想定されている。

DeepSeekの出発点は異色だった。創業者の梁文鋒(Liang Wenfeng)は、AIと深層学習を駆使した株式取引を行うクオンツヘッジファンド(※高頻度・数理モデル主導の運用ファンド)「High-Flyer Quant」を先に立ち上げており、DeepSeekは2023年にこのファンドの内部プロジェクトとして発足した。当初はファンドの資本と計算資源によって運営されており、シリコンバレー型のVCに依存しない形でAI開発を進めた点が、従来のAIスタートアップと大きく異なる。

DeepSeekは2024年末から2025年初頭にかけて、DeepSeek-V3およびDeepSeek-R1を相次いで公開し、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetに匹敵する性能を大幅に低いコストで実現したとして世界的な注目を集めた。この「効率性」こそがDeepSeekの看板だったが、今回の資金調達はその看板と現実の間に生じた緊張を端的に示している。

既存・新規投資家の顔ぶれ

今回のラウンドには以下の投資家が参加または参加交渉中とされる。

  • 既存投資家:Monolith(モノリス)、Shixiang Capital(時象資本)、CATL(寧徳時代、電気自動車用電池の世界最大手)
  • 新規投資家候補:CPE、Legend Capital(聯想旗下のVC)、半導体特化PEファンドのStony Creek Capital、中国半導体メーカーGigaDevice(兆易創新)傘下のファンド、合肥市の国家系投資ビークル

DeepSeekおよび各投資家は現時点でラウンドを公式に確認していない。

「効率的なモデル」でも逃げられないインフラコスト

DeepSeekが業界で評価された最大の理由は、米国の主要AIラボと競合できるモデルを、従来の想定をはるかに下回るコストで構築したとされることだ。ただし、そのコスト優位性の解釈は研究者や業界関係者の間でも議論が続いており、条件次第で評価は異なる。いずれにせよ、今回の資金調達が示すのは、効率性を強みとして掲げる企業であっても「規模の競争」からは抜け出せないという現実だ。

同社は今後、約1ギガワット分の計算能力を追加投資する計画とされる。大規模モデルの開発とAI人材の獲得競争が激化する中、効率的なアーキテクチャで知られる企業でも、巨大なインフラ投資を避けられない構造になっている。

また、DeepSeekはAPI利用料金の値上げに踏み切っており、Alibaba、Tencent、Baidu、Zhipu AIも同様の動きを見せている。中国AI市場全体で、割引競争から収益性重視への転換が起きている。

IPO準備と戦略投資

DeepSeekは上海のスター市場(科創板)への上場を目指しており、早ければ2026年末にも申請、2027年の上場が目標とされる。科創板はハイテク・イノベーション企業向けの市場として2019年に開設されており、中国国内の技術系スタートアップにとって主要な上場先の一つだ。

ファンド運営との関係でも変化が起きている。High-Flyer系ファンドは、中国の記憶半導体メーカーCXMTやヒューマノイドロボティクスのUnitree Roboticsのプレ・IPO株を取得している。DeepSeek自身もUnitreeの2.31%の株式を戦略投資家として取得し、36ヶ月のロックアップに合意した。

ハットン・リサーチのテクアナリスト、Sigrid Wang氏はこう述べている。

「リターンを追うクオンツファンドと、将来のAIスタックに向けた戦略的関係構築のためにDeepSeekが選択的に企業バランスシートを活用しているのは、明確に異なる動きだ。」

また上海のヘッジファンドのポートフォリオマネージャー、Ke Zong氏は「DeepSeekの創業チームは梁氏を含め、根本的にはトレーダー気質で、最大のアップサイドを追う傾向がある」と指摘する。

「効率のDeepSeek」が巨大資本を必要とする逆説

DeepSeekは、競争力あるAIモデルを従来より効率的に構築できることを業界に示してきた。しかしグローバル規模での競争を維持するには、やはり膨大な資本が必要になる——今回の資金調達はその逆説を端的に示している。

2023年にヘッジファンドの内部プロジェクトとして発足したDeepSeekは、わずか2〜3年のうちに外部資本を数千億円規模で受け入れ、IPOを視野に入れる企業へと変貌しつつある。効率性を武器に台頭した企業が、スケールの論理に取り込まれていく過程として注目に値する。

詳細はDeepSeek nears $7.4 billion funding round at $74 billion valuation ahead of 2027 IPOを参照していただきたい。