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Deep Dive

ClaudeとClaude Codeは「別のエンジン」だった — 同じプロンプトでブランド言及の重複がわずか20%というデータ

8月31日、Search Engine Journalが「Claude Searches Web Differently From Claude Code, Data Shows」と題した記事を公開した。ClaudeとClaude Codeは同じAnthropicのモデルを基盤としながら、ウェブ検索の頻度・参照ブランド・訪問ページ種別においてほぼ別製品と呼べるほど異なる挙動を示す——そのことを定量的に示したデータが注目を集めている。AEO(Answer Engine Optimization)やGEO(Generative Engine Optimization)の文脈でAIへの露出を計測・最適化しようとしているマーケターやエンジニアにとって、「モデルが同じなら計測も一本化できる」という前提が根底から揺らぐ内容だ。

8月31日、Search Engine Journalが「Claude Searches Web Differently From Claude Code, Data Shows」と題した記事を公開した。ClaudeとClaude Codeは同じAnthropicのモデルを基盤としながら、ウェブ検索の頻度・参照ブランド・訪問ページ種別においてほぼ別製品と呼べるほど異なる挙動を示す——そのことを定量的に示したデータが注目を集めている。AEO(Answer Engine Optimization)やGEO(Generative Engine Optimization)の文脈でAIへの露出を計測・最適化しようとしているマーケターやエンジニアにとって、「モデルが同じなら計測も一本化できる」という前提が根底から揺らぐ内容だ。


検索頻度の差が激しい:93% vs 13%

AIの可視性追跡ツールを提供するProfoundが、ClaudeとClaude Codeのウェブ検索挙動を比較したデータを公開した。Profoundは、どのブランドがAI回答に登場しているかをモニタリングするプラットフォームを提供しており、SEO・AEO領域での利用が増えているツールだ。

7月13日〜23日の10日間に1,724件のプロンプトを両製品でテストし、計24,135件のレスポンスを収集(双方ともウェブ検索を有効化)。結果は以下のとおりだ。

  • Claudeはレスポンスの93%でウェブ検索を実施
  • Claude Codeが検索を行ったのはわずか13%

同じプロンプトに対して両者が言及したブランドの重複率は**平均約20%**にとどまる。

この乖離の背景には、Anthropicの製品設計の意図がある。Claude.aiは幅広い一般ユーザーを対象とした対話型AIとして設計されており、最新情報の取得や情報収集を目的としたウェブ検索との親和性が高い。一方、Claude Codeはコーディング作業に特化したエージェント型ツールであり、ターミナル上でのコード生成・編集・実行が主たる用途だ。ウェブを「探索する」より、既知のドキュメントや仕様から「具体的な情報を取りに行く」ことに最適化されている。このアーキテクチャ上の差異が、検索頻度の開きとして数字に表れていると見ることができる。

興味深いのは一貫性の比較だ。同じ製品で同じプロンプトを繰り返した場合、Claudeは約50%、Claude Codeは約40%のブランドが重複する。一方、両製品間の重複は20%程度しかない。つまり「同じモデルを使っているはずなのに、製品をまたぐとほぼ別の回答が返ってくる」という状態だ。


出力の質も異なる:短くて構造的なClaude Code

検索頻度が低いにもかかわらず、Claude Codeが1レスポンスで言及するブランド数は平均6.6件と、Claudeの5.2件をむしろ上回っている。

出力の形式にも差がある。

項目 Claude Claude Code
平均レスポンス語数 459語 322語
表(テーブル)を含む割合 11% 50%超

Claude Codeの回答は短く、構造化されている。コーディング系プロンプトでは、ClaudeがコードエディタやIDEを推薦する傾向があるのに対し、Claude Codeはコード品質ツールやワークフローツールを多く挙げる傾向があった。

利用者層の違いもこの差を後押ししている。Claude.aiのユーザーは情報収集・文章生成・質問応答を目的とした一般ユーザーが中心であるのに対し、Claude Codeの利用者は開発ワークフローに組み込んで使うエンジニアが大半だ。同じ「Claudeというブランド」でも、実際にリーチしているオーディエンスはほぼ別セグメントと考えた方が実態に近い。


エージェントが読むページ種別も正反対

もう一つのデータセットは、7月18日〜8月18日の1ヶ月間に各製品のエージェントが訪問した上位1,000ページの分析だ。前述の10日間のプロンプトテストとは調査期間・規模ともに異なるため、単純な比較には注意が必要だ。

  • Claude Code:訪問の約75%がドキュメント・情報ページ・料金ページ
  • Claude:訪問の約60%がrobots.txt・サイトマップ・トップページ

Profoundはこれを次のように解釈する。Claudeのエージェントは「サイト全体に何があるかを探索する」のに対し、Claude Codeのエージェントは「既知のページ種別から具体的な情報を取りに行く」という動きをしている。

この解釈に基づき、Profoundは「Python 3.10–3.13、Node.js 20+、Go 1.22+をサポートのような具体的な技術情報や料金情報をページに明記し、疑問文形式の見出しの直下に回答を配置せよ」とアドバイスしている。

ただし、このページ分類はAIモデルが行ったものであり、人間によるレビューの有無や、2つのエージェントのトラフィックをどう区別したかは報告書に明記されていない。また、2つのデータセットは調査期間が異なる(10日間 vs 1ヶ月間)うえ、サンプルの規模や収集条件の統一性も不透明であり、横断的な解釈には留保が必要だ。Profoundはこの変更がブランド言及数の増加に直結するかどうかは実証していない。


エンジニア・マーケターへの示唆

Claude Codeのユーザーが増えるにつれ、「Claudeで計測すれば十分」という前提は崩れつつある。同じプロンプトに対してブランドの重複が20%程度であれば、どちらのユーザーに届けたいかによって、コンテンツ戦略を分けて考える必要が出てくる。

GEO・AEOの文脈でAI経由の流入やブランド露出を最適化しようとしている場合、Claude.aiとClaude Codeを別チャネルとして扱い、それぞれのエージェント挙動に合わせたコンテンツ設計——一方には探索しやすいサイト構造、他方には即座に取得できる構造化された技術情報——を検討する価値がある。AI製品の多様化が進む中で、「モデルが同じなら挙動も同じ」という仮定が成り立たないことを、このデータは定量的に示している。

詳細はClaude Searches Web Differently From Claude Code, Data Showsを参照していただきたい。