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Deep Dive

370年間誰も解けなかった暗号をAIが44分で解読 — 「疲れずに試し続ける能力」がブレークスルーを生んだ

9月3日、Manuel Uthが「Claude Fable 5.1 decoded a centuries-old royalist message hidden in plain sight since 1653」と題した記事を公開した。AnthropicのClaude Fable 5.1(Claudeシリーズの最新世代モデル)が1653年から未解読だった暗号文を44分で解読した事例について、Vals AIの報告をもとに詳しく紹介している。

9月3日、Manuel Uthが「Claude Fable 5.1 decoded a centuries-old royalist message hidden in plain sight since 1653」と題した記事を公開した。AnthropicのClaude Fable 5.1(Claudeシリーズの最新世代モデル)が1653年から未解読だった暗号文を44分で解読した事例について、Vals AIの報告をもとに詳しく紹介している。


370年間、誰も解けなかった暗号をAIが44分で解いた

1653年に出版された2行64個の数字——これが「Cyphral Distich(サイフラル・ディスティック)」だ。スコットランドの著述家サー・トーマス・アーカートが残したこの暗号は、長らく未解読のまま放置されてきた。

Vals AIの報告によれば、Anthropicの最新モデルClaude Fable 5.1がこのCyphral Distichを人間のサポートなしに44分で解読した。

解読の仕組み:答えは書物の中に隠されていた

解法は、判明してしまえばシンプルだ。

各数字はアーカートの書物が分割された32のセクションのいずれかの単語を指し示している。その単語の頭文字を順に並べると、一文が浮かび上がる:

"O God uphold King Charls the Second and make him the supreme ruler of this land."
(神よ、チャールズ2世王をお守りください。そして彼をこの地の最高支配者としてください。)

1653年といえば、イングランド内戦後の共和制期(Commonwealth)にあたる。チャールズ2世はまだ王位を回復しておらず(王政復古は1660年)、王党派がこうしたメッセージを平文の中に隠したとしても不思議ではない歴史的背景がある。Cyphral Distichは370年以上、書物の中に「堂々と隠れていた」ことになる。

Fable 5.1が解けた理由:暗号解析の巧みさではなく「粘り強さ」

Vals AIの分析で興味深いのは、Fable 5.1が優れた暗号解析能力によって解読したわけではないという点だ。

記事によれば、Fable 5.1は体系的な試行錯誤と圧倒的な持続性によって解を導き出した。他の最先端モデルも同じパズルに挑んだが、検証可能な解を出せたものはなかった。

また、Fable 5.1はそもそも「このパズルを解け」と指示されたわけでもない。「解けそうな未解決パズルを自分で探して解け」というタスクを与えられ、数あるパズルの中からCyphral Distichに目をつけ、自律的に取り組んだ。

この「問題選定→解法探索→検証」という一連のプロセスを、人間の介在なしにこなした点が、単なる問題回答とは異なる。

「人間でも解けた」という事実が示すもの

Vals AIはレポートの中でこう述べている:「振り返れば、解法はシンプルで、人間も解けたはずだ」。

これはFable 5.1の能力を矮小化する評価ではなく、むしろ逆だ。超高難度の数学や推論を要したわけではなく、「正しいアプローチを粘り強く試し続ける」という作業でブレークスルーが生まれたことを意味する。数百年間誰も解けなかったのは、解法が難解だったからではなく、誰も十分な時間と体系性をもって取り組まなかったからかもしれない。

LLMの実用価値を語る上で、「超人的な知性」よりも「疲れずに試行し続ける能力」が意外に効いてくるという示唆を含む事例だ。歴史的な未解決問題に対してAIが自律的にアプローチし、実際に解を出したという意味で、今後の研究・人文学分野への応用を考える上でも注目に値する事例といえる。


詳細はClaude Fable 5.1 decoded a centuries-old royalist message hidden in plain sight since 1653を参照していただきたい。