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SunoがWarner Music GroupおよびBMGとのライセンス契約のもとv6をリリース — 著作権訴訟から協調へ、AI音楽は「ライセンス型モデル」に移行できるか

9月10日、The Newsが「Suno launches v6 AI music models developed in partnership with Warner music group and BMG」と題した記事を公開した。AI音楽生成プラットフォームのSunoが、大手音楽レーベルとのライセンス契約を締結したうえで新モデル「v6」をグローバルリリースした。著作権訴訟によって「無断学習」問題が業界全体に問われてきたAI音楽の世界で、今回の動きは訴訟・対立から契約・協調へという構造転換の最初の具体例として注目を集めている。

9月10日、The Newsが「Suno launches v6 AI music models developed in partnership with Warner music group and BMG」と題した記事を公開した。AI音楽生成プラットフォームのSunoが、大手音楽レーベルとのライセンス契約を締結したうえで新モデル「v6」をグローバルリリースした。著作権訴訟によって「無断学習」問題が業界全体に問われてきたAI音楽の世界で、今回の動きは訴訟・対立から契約・協調へという構造転換の最初の具体例として注目を集めている。


著作権訴訟から協調へ——構造転換の意味

今回のリリースで最も重要な点は、技術的な性能向上よりも業界構造の変化にある。

SunoはWarner Music Group(WMG)BMG、デジタルディストリビューターのBelieveとのライセンス契約を締結し、そのもとで開発されたv6モデル群を正式にグローバルリリースした。従来のAI音楽モデルが著作権上の争いが続く「無断スクレイピングデータ」に依存していたのに対し、v6シリーズはライセンス取得済みのデータとユーザーの好みシグナル、自社R&Dを組み合わせて構築されていると説明されている。

BMGはロンドン・ベルリンを拠点とする世界有数の音楽出版・録音会社であり、Taylor SwiftやQueenのカタログを擁するWMGとともに、今回の枠組みの中核を担う。Believeはインディーズアーティストや中堅レーベル向けのデジタル配信・マーケティングを手がけるフランス発の企業で、メジャーとインディーズの双方をカバーするという観点で今回の契約の幅広さを示している。

なお、SunoとWMGの間では過去に著作権訴訟が提起されていたが、その後和解しライセンス契約へと移行した経緯がある。今回のv6リリースはその和解合意の直接的な帰結と位置づけられる。


3種類のモデル構成

v6スイートは用途に応じた3モデルで構成される。

  • v6(フラッグシップ):ProおよびPremier契約者向け。特定のクリエイティブ目標に対して精度の高い楽曲生成を提供する
  • v6-Wild(実験的モデル):同じくProおよびPremier向け。探索的な用途や新しいアイデアの発掘を想定した、バリエーションの幅が広いモデル
  • v6-mini(無料枠):全ユーザーが追加料金なしで利用可能。同社は「あらゆる音楽制作プラットフォームの無料モデルより優れた、高速な結果を提供する」と主張している

フラッグシップのv6と実験的なv6-Wildは有料プラン限定となっており、無料ユーザーはv6-miniのみアクセスできる。Sunoのプラン体系については公式サイトの料金ページで確認できる。


収益配分の仕組みと今後のアーティスト参加制度

ライセンス契約の枠組みでは、ユーザーがプラットフォーム上で楽曲を生成するたびに著作権保有者やレーベルへ報酬が支払われる仕組みが設けられている。生成ベースの課金・分配モデルであり、ストリーミング時代の再生回数連動型とは異なるアプローチだ。

さらに将来的には、個別アーティストがオプトインでAIリミックス機能に参加し、直接的な収益分配を受け取れるプログラムの導入も予定している。プラットフォームが一方的にデータを使う構造から、アーティストが選択肢を持てる協調型の枠組みへの移行を目指している格好だ。

AI生成コンテンツに対するアーティストの権利保護は業界全体の課題であり、Recording Academy(グラミー賞主催団体)やRIAAなども独自の指針策定を進めている。Sunoのオプトイン制度はその文脈に沿った動きとして評価できる一方、報酬算定の透明性や分配率の詳細は現時点では明らかにされていない点に留意が必要だ。


訴訟はまだ続く

ただし、業界全体が和解に向かっているわけではない。Universal Music GroupとSony Musicは現在も米国連邦裁判所でSunoを相手取った著作権訴訟を継続中だ。WMG、BMG、Believeが統合に踏み切った一方で、主要レーベルの一部は依然として法的対立の姿勢を崩していない。

訴訟の論点は「学習データとして既存楽曲を無断使用したか否か」という著作権法上の解釈に集中しており、米国ではフェアユースの適用範囲をめぐる議論が続いている。連邦裁判所の判断次第では、ライセンス型への移行を加速させる可能性もあれば、業界全体の訴訟リスクを高める結果になる可能性もある。

「協調型AIライセンス」モデルが業界標準になるか、それとも訴訟リスクが残り続ける構造になるかは、今後の裁判の行方にも左右される。Sunoのv6リリースはその分岐点における一つの実験として、引き続き注目していきたい。


詳細はSuno launches v6 AI music models developed in partnership with Warner music group and BMGを参照していただきたい。