powered by TechFeed
表示モード
Apple

メール・写真・アプリを横断して「勝手に動く」Siri AIが正式公開 — Apple Intelligenceが目指す次世代アシスタントの全貌

9月14日、Appleが「Siri AI, a profoundly more capable and personal assistant, is here」と題した記事を公開した。次世代Apple Intelligenceを基盤とした新しいSiri「Siri AI」が全プラットフォームで正式提供開始されたことを伝える内容だ。

9月14日、Appleが「Siri AI, a profoundly more capable and personal assistant, is here」と題した記事を公開した。次世代Apple Intelligenceを基盤とした新しいSiri「Siri AI」が全プラットフォームで正式提供開始されたことを伝える内容だ。


Appleは2026年9月14日、次世代Apple Intelligenceを基盤とするSiri AIの提供を開始した。Apple Intelligenceは2024年のWWDCで初発表されて以降、段階的な機能展開が続いてきたが、今回のSiri AIはその集大成と位置づけられる。従来のSiriとは根本的に設計を見直した、まったく新しいアシスタントだ。英語版のベータとして本日より順次展開し、翌月にはフランス語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語へ対応を拡大する予定だ。

今回の発表で特に注目すべきは、ユーザーのメール・メッセージ・写真などを横断して文脈を把握した上で行動できる「パーソナルコンテキスト理解」だ。単に質問に答えるだけでなく、複数のアプリにまたがって情報を収集・統合し、最終的な操作まで一貫して実行する。これは従来のSiriが苦手としていた領域であり、今回の刷新における最大の変化点といえる。

Siri AIの核心:パーソナルコンテキスト理解

ユーザーのメール・メッセージ・写真などを横断して文脈を把握した上で行動できる点が、今回最も重要な変化だ。

例として記事が挙げているのが次のシナリオだ。「家族が次の訪問中に何をしたいと言っていたか」とSiriに尋ねると、SiriはMessages内を検索して「一緒に家族のレシピを焼きたい」というやりとりを発見し、さらに過去メールから調理手順を引き出して、必要な食材をRemindersの買い物リストに追加する——これを一連の操作として完結させる。

なお、パーソナルコンテキストの処理にはプライバシーへの配慮が施されている。Appleはオンデバイス処理を基本としつつ、より高度な推論が必要な場合にはApple独自のサーバー基盤である**Private Cloud Compute**(PCC)を活用する。PCCはAppleがハードウェアからソフトウェアまで制御するクラウド環境で、ユーザーデータを外部の第三者に渡さない設計が特徴だ。この2段構えのアーキテクチャにより、利便性とプライバシー保護の両立を図っている。

WhatsAppAudibleといったサードパーティアプリへの操作は既に対応済みで、近日中にはMicrosoft Outlookでのメール下書き、Notabilityでの課題検索、Tripsyへのレストラン追加なども可能になるという。

オンスクリーン認識とワールドナレッジ

Siri AIは画面上のコンテンツを認識した状態で質問に答えたり操作を実行したりできる(Onscreen Awareness)。スポーツチームのウェブサイトを表示中に「ホームゲームの日程をカレンダーに追加して」と頼めば、SiriがWebを解析して直接カレンダーに登録する。

加えて、Web全体の情報を参照するBroad World Knowledgeにより、スポーツのスコア、旅行の計画、周辺のカフェ情報など、ほぼあらゆるトピックに回答できるとされる。

全デバイス展開:Vision Proまで

Siri AIはiPhone・iPad・Mac・Apple Watch・Apple Vision Proに対応する。

  • iPhone:サイドボタン押下、またはDynamic Islandからのスワイプダウンで起動
  • iPad / Mac:Spotlightに統合。Macではコンテキストメニュー(Control+クリック)から画像・ファイル・テキストについて直接問い合わせ可能
  • Apple Vision Pro:Siri AIを3D表示でどこにでも配置でき、見るだけで起動して発話できる空間コンピューティング対応

会話履歴はiCloudを介してデバイス間でプライベートに同期される。iPhoneで始めた会話をMacで続けるといった使い方が可能だ。専用のSiriアプリも新たに提供される。

Visual Intelligence:iPad・Mac・Vision Proに拡大

従来はiPhone Camera限定だったVisual Intelligence(画像理解・マルチモーダル対応)が全デバイスに広がった。

  • iPad:スクリーンショット取得と同時に利用可能
  • Mac:専用キーボードショートカットで画面上の任意の要素を選択し、テキストで質問できる
  • Apple Vision Pro:アプリウィンドウ内のコンテンツだけでなく、周囲の物理的な物体を「見る」だけでSiriに質問できる

Writing Tools:サードパーティアプリでも自動校正

Writing Toolsが統合され、テキスト入力のできる場所であればどこでもSiriを使って下書きや編集が行えるようになった。MailとMessagesでは相手ごとのコミュニケーションスタイル(句読点やトーン)を反映した文章生成が可能だ。

さらに、ほとんどのサードパーティアプリを含むシステム全体で自動校正がリアルタイムに機能するようになった。

Image Playgroundと音声

  • Image Playground:Private Cloud Compute上で動作する新しい生成モデルにより、フォトリアリスティックなスタイルを含む高品質な画像生成が可能になった。Siri AIアプリから直接テキストで指示して画像を生成できる
  • 音声カスタマイズAFM Core Advanced(Apple Foundation Model Core Advanced)と呼ばれるオンデバイスモデルにより音声認識精度が大幅向上。Siriの声の表現力や話すペースをユーザーが調整できる。AFM Core Advancedはデバイス上で完結して動作するApple独自の基盤モデルで、プライバシーを確保しながら高度な推論を行う。ディクテーション(音声入力)は大文字化・句読点・フォーマットを自動処理する

対応ハードウェアと展開スケジュール

Siri AIはiOS 19.1・iPadOS 19.1・macOS Sequoia 15.1・watchOS 12.1・visionOS 3.1として提供される。高度なオンデバイスモデル機能(AFM Core Advanced)を利用するには対応ハードウェアが必要で、すべての機能が全機種で使えるわけではない点は注意が必要だ。英語ベータが本日から展開、翌月に日本語を含む5言語が追加される。


詳細はSiri AI, a profoundly more capable and personal assistant, is hereを参照していただきたい。