9月19日、RuntimeWireが「ChatGPT lets plugins connect multiple work and personal accounts」と題した記事を公開した。ChatGPTのプラグインが仕事用・個人用の複数アカウントを1つの会話に同時接続できるようになったアップデートを詳しく紹介している。
複数アカウントを1つの会話に接続できるようになった
OpenAIは9月17日、ChatGPTのプラグインにおいて複数アカウントの同時接続をサポートする機能を全プランに展開した。対応プラットフォームはWeb、モバイル、デスクトップの全てだ。
これにより、たとえば「仕事用Slackと個人用Slackを同時に接続して横断検索する」といったことが、アカウントを切り替えることなく1つの会話の中で完結する。
この機能は8月28日にGmail・Googleカレンダー・Google連絡先向けに先行導入されていた。複数の受信トレイを横断検索したり、仕事用・個人用カレンダーを同時に参照したりするユースケースが先に実装されており、今回のアップデートでその対象がChatGPTのPlugin Directoryに登録されている他のサービスにも広がった形だ。
なお、Max Stoiber(@mxstbr)は9月18日にXへの投稿で「ほとんどのプラグインで動作する」と説明している。
設定方法と動作の仕組み
接続手順はシンプルだ。
- Settings → Apps または Plugins を開く
- 対象のプラグインを選択
- 「Connect another account」 を選択
- 各アカウントのプロバイダー認証フローを個別に通過
会話の中でどのアカウントを使うかを指定できるのは、プラグインがアカウント選択をサポートしている場合に限られる。
「何でもできる」わけではない点に注意
一見万能に見えるが、OpenAIのアカウント管理ドキュメントでは、いくつかの制約が明記されている。
- 利用可否はアプリ・ChatGPTのプラン・デバイス・ワークスペース設定に依存する
- 個人アカウントを接続しても、職場の別アカウントが持つ文書・メッセージへのアクセス権は得られない
- 管理者がプラグインの有効化やアカウントドメインの承認を事前に行う必要がある場合がある
- プラグインやワークスペースの設定によっては、情報の読み取りやアクション実行の前にChatGPTが追加承認を求めることがある
また、アカウントを切断(disconnect)しても、その接続が有効だった間に取得した情報を含む過去の会話・保存ファイル・メモリは自動削除されない点にも留意が必要だ。
プラグイン開発者への影響
プラグイン開発者の観点から見ると、今回の変更は「1人のChatGPTユーザー = 1つのプロバイダーアカウント」という前提が崩れることを意味する。
Stoiberは「ほとんどのプラグインでは自動的に対応が適用される」と述べており、開発者が実装を変更しなくてもマルチアカウントに対応できるケースが多いようだ。アカウントの追加・選択のインターフェース管理はOpenAI側が担い、開発者はプロバイダーの認可モデルに依存する形となる。
言い換えると、OAuthなど既存の認可フローを正しく実装しているプラグインであれば、追加の改修なしにマルチアカウント対応の恩恵を受けられる可能性が高い。一方で、セッションやトークンを独自管理しているプラグインは、複数アカウントのコンテキストが混在した場合の挙動を改めて検証する必要が生じるかもしれない。企業向けのプラグインを開発・運用している場合は、アクセス権の境界が想定どおりに機能しているかを確認しておくことが望ましい。
OpenAIのプラグイン戦略との関係
このアップデートは、OpenAIがChatGPT全体の統合基盤をプラグインに一本化しようとする動きの一環として位置づけられる。元記事によれば、Plugin Directoryへの統合やカスタムGPTの廃止といった施策がこの流れに沿ったものとして紹介されている。
現在のプラグインは、外部サービスへのリンク単体ではなく、インストラクション・接続済みアプリ・テンプレートをまとめてバンドルできる仕組みになっている。マルチアカウント対応は、企業環境でのプラグイン利用をより現実的なものにする機能として位置づけられる。
社内でメール・カレンダー・ソースコードホスト・メッセージングツール・クラウドストレージを複数のアイデンティティで使い分けているエンジニアにとって、アカウント切り替えの手間が減る実務的な恩恵は小さくない。
詳細はChatGPT lets plugins connect multiple work and personal accountsを参照していただきたい。




