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OpenAIがウクライナに10億ドル超のAIリソースを提供 — 年間6,000件のサイバー攻撃にさらされる電力・水道網の防衛に活用へ

9月24日、Derek B. Johnsonが「OpenAI, Ukraine partner on 'Daybreak' program to protect power grids and water systems」と題した記事を公開した。OpenAIとウクライナ政府が「Daybreak」プログラムを通じて重要インフラのサイバー防衛で連携すると発表した。ウクライナは年間約6,000件、1日あたり約15件ものサイバー攻撃にさらされており、OpenAIは10億ドル超相当のAIリソースを提供する。

9月24日、Derek B. Johnsonが「OpenAI, Ukraine partner on 'Daybreak' program to protect power grids and water systems」と題した記事を公開した。OpenAIとウクライナ政府が「Daybreak」プログラムを通じて重要インフラのサイバー防衛で連携すると発表した。ウクライナは年間約6,000件、1日あたり約15件ものサイバー攻撃にさらされており、OpenAIは10億ドル超相当のAIリソースを提供する。


「Daybreak」プログラムとは何か——SSCISへのアクセス提供と10億ドル超の支援

発表はニューヨークのOpenAIオフィスで行われた。Daybreakプログラムを通じて、ウクライナの国家サイバーセキュリティセンター(SSCIS)はサイバー防衛向けに設計された高度なAIモデルへのアクセスを得る。SSCISはウクライナにおける重要インフラのサイバー防衛を統括する政府機関であり、電力・水道・交通などの基幹システムを標的とした攻撃への対処を日常的に担っている。OpenAIはあわせて、10億ドル超相当のサブスクライブドトークン(原文:subscribed tokens。APIアクセス枠の換算額に相当)を提供することも約束した。

ウクライナは2015年にロシアGRU(軍参謀本部情報総局)のハッカーによる電力網停止攻撃を経験し、2022年の全面侵攻以降は電力・水道システムへの攻撃が常態化している。2025年にはロシアのハッカーがウクライナ鉄道システムを攻撃したが、列車の運行は維持された。こうした実績から、ウクライナのインフラ防衛は米国の安全保障専門家や議会委員会から「米国産業のモデル」として明示的に言及されている。


「AIは防御者を置き換えない。速くするだけだ」

パネルディスカッションでサンフランシスコ駐在のウクライナ総領事Dmytro Kushneruk氏は、AIツールの用途を具体的に列挙した。

  • インシデントレスポンス
  • 脅威のトリアージ(優先度付け)
  • ログイン分析
  • システムインベントリ
  • コード解析
  • 脆弱性の検証

いずれも共通のポイントは「マシンスピードで処理すること」だ。Kushneruk氏は「人間はログを何千、何万と見て、本当に重要なものを探さなければならない。だからこそAIは有能な防御者に大きなアドバンテージをもたらす」と述べた。

重要なのは、あくまでも補完であり代替ではないという点だ。「目的はサイバー防御者をAIに置き換えることではなく、サイバー防御者がより速く動けるようにすることだ」とKushneruk氏は明言した。

また同氏は「このパートナーシップはコンピュータを守ることではなく、国家を機能させ続けることだ」とも語った。


OpenAIが感じる「窓の狭さ」

OpenAIの国家安全保障政策担当のSasha Baker氏は、同様の合意を他国政府や産業界と締結することに「緊急性」を感じていると述べた。

「これらのツールが悪意ある者の手に渡ることは時間の問題だ。だから今、重要インフラ事業者や各国政府にツールを届け、システムのパッチ適用・防御・脆弱性修正を急がなければならない。私たちは行動する時間的な窓を持っており、その窓を使い切る必要がある」
— Sasha Baker(OpenAI 国家安全保障政策責任者)

OpenAIのGreg Brockman共同創業者兼社長は2026年初め、「AIモデルを活用して外国政府やサイバー犯罪者より先に脆弱性を発見・修正するための集団的行動」を求める公開書簡に署名している。またPoliticoの報道によれば、CEOのSam Altman氏は7月に米国の電力会社と会合を開き、送電網防衛へのAI活用を議論している。


米国内でも超党派で支持

米上院外交委員会の少数派スタッフディレクターNaz Durakoğlu氏は、防衛的なAIツールを米国の重要インフラ事業者が導入することについて「党派を超えた広範な合意がある」と述べた。規制面での論点は残るものの、「蛇口をひねれば水が出る、停電しない、病院が機能し続ける——それは政府の基本的な義務だ」と語った。

ウクライナが日々直面している状況は、米国議員にとっても「大きな警鐘」になっているという。Daybreakプログラムが実戦環境で積み重ねるデータと知見は、将来的に米国をはじめとする同盟国のインフラ防衛モデルにも応用されうる取り組みとして、安全保障コミュニティの注目を集めている。


詳細はOpenAI, Ukraine partner on 'Daybreak' program to protect power grids and water systemsを参照していただきたい。