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Deep Dive

「Claude CodeもCodexも使わなくなった」— 無料OSSエージェント「Pi」はツール4つだけで動き、欲しい機能は自分で作る

10月19日、MakeUseOfが「This free, open-source tool beats Claude Code, Codex, and Antigravity at their own game, and I'm not looking back」と題した記事を公開した。Claude Code・Codex・Antigravityといった主要AIコーディングエージェントを日常的に使ってきた筆者が、無料のオープンソースツール「Pi」に乗り換えて「もう戻れない(I'm not looking back)」と断言するまでの実体験レビューだ。

10月19日、MakeUseOfが「This free, open-source tool beats Claude Code, Codex, and Antigravity at their own game, and I'm not looking back」と題した記事を公開した。Claude Code・Codex・Antigravityといった主要AIコーディングエージェントを日常的に使ってきた筆者が、無料のオープンソースツール「Pi」に乗り換えて「もう戻れない(I'm not looking back)」と断言するまでの実体験レビューだ。


大手各社のAIコーディングエージェントは機能追加を続けるあまり肥大化が進んでいる。その流れに逆行するかのように登場したのが、Mario Zechner氏が開発した**Pi**だ。「拡張可能なエージェントハーネス」と自称するこのツールは、無料・オープンソースでありながら、Claude Code、OpenAI Codex、そしてAntigravityに実用面で肩を並べると筆者は評価する。

※ Antigravityとは、AIエージェントを使ったコーディング支援に特化したサービスで、Claude CodeやCodexと同様の用途に使われるAIコーディングエージェントの一つだ。

デフォルトのツールはたった4つ

Piの最大の特徴は、デフォルトで有効なツールが read・write・edit・bash の4つだけという潔さだ。ファイルを読む、新規作成する、既存コードを修正する、ターミナルコマンドを実行する——コーディングエージェントとして機能するのに必要十分な構成である。

grep、find、ls といった追加ツールも内蔵されているが、最初から全部有効にはなっていない。これには明確な理由がある。LLM(大規模言語モデル)への入力となるコンテキストウィンドウに、使いもしないツール定義を大量に詰め込まないためだ。コンテキストを無駄遣いしなければ、実際のタスクに使えるトークン量が増える。

インストールはnpm経由で一行で完了する(Node.js が必要):

npm install -g --ignore-scripts @earendil-works/pi-coding-agent

インストール後、ターミナルで対象ディレクトリに移動して pi コマンドを実行するだけで起動できる。

「自分でツールを作れる」拡張システムが本質

Piが他と一線を画すのは、TypeScriptで書かれた拡張機能システムだ。カスタムツール、コマンド、キーボードショートカット、ターミナルUIの変更、モデルプロバイダーとの連携、ワークフローの自動化——これらすべてを拡張機能として追加できる。

TypeScriptを書けなくても問題ない。Pi自体がコーディングエージェントなので、「こういう機能が欲しい」と言葉で伝えれば、Piが拡張機能を自分でビルドしてくれる。

記事内の実例が分かりやすい。Claude CodeにはPlan Mode(コードベースを調査し、変更前に計画を立てるモード)が標準搭載されているが、PiにはデフォルトでPlan Modeがない。そこで筆者がPiに「Plan Mode拡張を作って」と依頼したところ、カスタムコマンド・ファイル編集制限・進捗トラッカーを備えた拡張機能を自律的にビルドし、6つのテストをすべてパスした。開発者が機能を決めてリリースするのではなく、ユーザー自身が必要なものを作る——という思想の転換である。

モデルを自由に選べる、ベンダーロックインなし

Claude CodeはAnthropicのモデルのみ、CodexはOpenAIのモデルのみ、AntigravityはGoogleのモデルが中心——という制約に対し、Piはどのプロバイダーのモデルも使える。

対応プロバイダーは以下の通り:

  • Anthropic、OpenAI、Google、DeepSeek、Mistral、Groq、xAI、Cerebras など
  • **OpenRouter**(複数プロバイダーのモデルを単一APIで利用できるサービス)
  • ローカルモデル:**Ollama**、LM Studio、llama.cpp、vLLM 経由で自前のハードウェア上で動作可能

/login コマンドまたはAPIキー設定で認証し、/model コマンドでモデルを切り替えられる。複雑なタスクには高性能な推論モデル、単純なタスクには安価で高速なモデルを使い分ける、といった運用が一つのエージェント内で完結する。

ミニマリズムの代償:セキュリティ設定は自己責任

記事では、Piの自由度の高さがそのままセキュリティ上の注意点でもあると指摘されている。Piは最小構成で起動するため、ユーザー側が意識的にセキュリティ設定を整える必要がある。拡張機能でセキュリティ機能を追加することは可能だが、それはあくまでユーザーの判断に委ねられている。「自由と引き換えに責任を持つ」という設計方針は一貫している。

なお、Claude CodeやCodexが具体的にどのようなセキュリティ機能をデフォルトで提供しているかは、それぞれの公式ドキュメント(Claude Code、OpenAI Codex)を参照されたい。

まとめ

Piが刺さるのは、「既存のコーディングエージェントの機能が多すぎる」「特定のモデルプロバイダーに縛られたくない」「自分好みの環境を一から作りたい」エンジニアだ。Claude Codeのような洗練されたUXや豊富な標準機能を求めるなら物足りなさを感じるかもしれないが、無料・オープンソースで、モデルフリーで、極限まで軽量なエージェントの土台として見ると、現時点で最も尖った選択肢の一つである。筆者が「もう戻らない」と言い切る背景には、この割り切った設計思想への共感がある。

詳細はThis free, open-source tool beats Claude Code, Codex, and Antigravity at their own game, and I'm not looking backを参照していただきたい。