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Mistralが1兆パラメータのコーディングAIをオープンウェイトで公開 — トークン消費47%削減で低コスト・高精度なエージェント性能を実現

10月29日、Mistralが「Mistral Large 4 (Le Chonk) is now open weight」と題した記事を公開した。1兆パラメータのフラッグシップモデル「Mistral Large 4」のオープンウェイト公開と、追加強化学習によるコーディング・サイバーセキュリティ性能の大幅向上について詳しく紹介されている。

10月29日、Mistralが「Mistral Large 4 (Le Chonk) is now open weight」と題した記事を公開した。1兆パラメータのフラッグシップモデル「Mistral Large 4」のオープンウェイト公開と、追加強化学習によるコーディング・サイバーセキュリティ性能の大幅向上について詳しく紹介されている。


オープンソース最強のコーディングモデルを名乗る

クローズドな大規模モデルが性能面で圧倒的優位を保ってきたコーディング領域で、オープンウェイトモデルがトップに立つ局面が生まれつつある。Mistral Large 4は今月上旬にパブリックプレビューとして公開されたばかりだが、追加強化学習を経て、オープンウェイトモデルのコーディングベンチマークでトップに立ったとMistralは主張している。

特筆すべきはそのトークン効率だ。Artificial Analysis Coding Agent Indexでのスコアは48%で、首位のGLM-5.3(中国・智谱AI開発のモデル)と実質同等だが、タスクあたりのトークン消費量は47%少ない。コーディングエージェントを大規模に運用するコストを大幅に抑えられる。

Terminal-Bench 4.0では、プレビュー比で**13ポイント改善の41%**を達成し、出力トークン数も30%削減した。

Cognitionのプライベートベンチマーク「FrontierCode 2.0」(リポジトリのメンテナーがエージェントの変更をマージするかどうかを評価する指標)では**19.7%**でオープンウェイトモデル首位を記録している。

人間の評価でも同様の結果が出ている。Surge Codeのブラインド比較評価では、GLM-5.3(智谱AI)、Kimi K3(中国・Moonshot AI開発)、DeepSeek V4.1 Flash(中国・DeepSeek開発)を上回り、Claude Opus 5.5(Anthropic開発)のみに次ぐ2位と評価された。オープンウェイトモデルでありながら、主要クローズドモデルの多くを凌駕する結果だ。


3段階の推論モード

パフォーマンスとコストのバランスを開発者が制御できるよう、3つの推論モードが導入された。

モード 推奨用途
Low シンプルなタスク(従来の「なし」相当)
Medium 日常的なタスク
High(デフォルト) 高精度・深い推論が必要な難易度の高いユースケース

用途に応じてモードを切り替えることで、推論コストと精度のトレードオフを細かくコントロールできる設計となっている。


サイバーセキュリティへの対応

Artificial Analysis Cyber Indexで**51%**を記録。このベンチマークは、脆弱性の発見・再現・検証・パッチ適用(既存機能を壊さずに)という一連の防御的セキュリティタスクを評価するものだ。

同時に、悪意のあるサイバー関連リクエストへの拒否率は**96.6%**で、Mistralが測定したオープンモデルの中で最高値だという。高い防御性能を保ちながら攻撃的タスクを区別するガードレールが機能していることになる。

一方、ライブトラフィックの監視では実際の攻撃への悪用可能性(uplift)が確認されたとして、ガードレールの修正を継続する方針も明示している。Orange Cyberdefenseなどのエンタープライズ設計パートナーには、ペネトレーションテストや脆弱性評価向けに特化したバリアントのプレビューアクセスを厳格な審査のもとで提供している。


そのほかのベンチマーク

  • FinWorkBench(Finch): 財務・会計のスプレッドシート作成・編集タスクで**73.3%**(オープンモデルではKimi K3に次ぐ2位)
  • BrowseComp: ウェブブラウジング能力で**84.5%**(SFTチェックポイントの75%から改善)
  • B3 Agent Security Benchmark: プロンプトインジェクションやシステムプロンプト漏洩などへの攻撃耐性が**97.1%**(プレビュー時の93.3%から向上)

コーディングに限らず、財務・ウェブエージェント・セキュリティ耐性といった幅広い領域でプレビューからの底上げが確認されている点は、汎用エージェント基盤としての実用性を評価する上で注目に値する。


ライセンスと価格

ウェイトはHugging Faceで公開されており、vLLMまたはSGLangでのセルフホスティングが可能だ。ライセンスは「Mistral Ecosystem Open-Weight License」が適用されており、使用・改変・ファインチューニング・商用利用は原則自由。ただし、Model-as-a-Serviceとして提供する事業者は別途商用ライセンスが必要となる。

API経由での利用料金は以下の通り:

  • 入力: $0.70 / Mトークン
  • キャッシュ済み入力: $0.07 / Mトークン
  • 出力: $2.10 / Mトークン

Mistral Studio、Mistral API、OpenRouterから試せるほか、NVIDIA NIMコンテナやTensorRT-LLM経由の高スループット推論にも対応している。


詳細はMistral Large 4 (Le Chonk) is now open weightを参照していただきたい。