11月7日、The Decoderが「Perplexity now has its own always-on AI agent」と題した記事を公開した。Perplexityが新たな常時稼働型AIエージェント「Teammates」を発表したというもので、価格はAnthropicの競合製品の10倍にあたる月額200ドルに設定されている。高価格帯での参入にもかかわらず、同社がこの勝負に出た背景には、競合他社が低価格ゆえに直面している使用制限問題がある。
「一回こっきり」から「常時稼働」へ — Teammatesとは何か
Teammatesは、タスクを一度実行して終わる従来型AIエージェントとは異なり、継続的なプロジェクトを自律的に処理し続ける「常時稼働型」エージェントだ。
ここで言う「常時稼働型AIエージェント」とは、ユーザーがその都度指示を出さなくても、バックグラウンドで継続的にタスクを実行し続けるAIのことを指す。通常のAIチャット(ChatGPTやClaudeとの一問一答)とも、単発タスクを処理して終了するPerplexity自身の既存製品Perplexity Computerとも異なるカテゴリに位置づけられる。
各Teammateは専用の仮想マシン上で動作し、独自のデスクトップとブラウザ環境を持つ。ユーザーはPerplexityアプリ内の専用スレッドで進捗を追跡でき、Slack経由でエージェントとやり取りすることも可能だ。複数のエージェントがそれぞれ異なるプロジェクトを並行して抱える運用も想定されている。
Anthropicの10倍の価格 — 競合他社との比較
Teammatesの利用にはMaxプラン(月額200ドル)への加入が必要となる。常時稼働型AIエージェントはいまや各社が一斉に投入している分野だが、Perplexityの価格設定はその中でも際立って高い。
現時点で出揃いつつある競合製品は以下のとおりだ:
AnthropicのDuetが月額20ドルからであるのに対し、Perplexityは月額200ドルと10倍の価格差がある。OpenAIのDotsも月額100ドルからであり、Perplexityは競合の中で最も高価な選択肢だ。
しかしPerplexityが高価格を正当化する根拠として、記事が挙げているのが競合各社の「使用制限問題」だ。安価なプランは実際にはすぐ使用制限に引っかかる可能性が高いと指摘されており、表面上の価格ほど安くはならないという見方だ。実際、xAIのGrok BotsはElon MuskがSNS上で「最も成長の速いプロダクト」と呼んでから数週間で使用制限の強化を余儀なくされた経緯がある。制限なく常時稼働させるためのコストを正直に価格に反映した、というのがPerplexityの立場とも読める。
月200ドルを支えるPerplexityの財務基盤
高価格帯への参入を可能にしている背景として、Perplexityの事業成長がある。同社の年間換算収益は2024年8月時点で7億5000万ドル超に達しており、Nvidiaがその評価額300億ドル以上での出資を検討しているとも報じられている。
こうした財務基盤があるからこそ、Teammatesのような高単価・高コストのインフラへの先行投資が可能になっている。逆に言えば、低価格帯での薄利多売を選ばずに済む体力が、競合との差別化戦略の前提となっている。
高価格戦略に勝算はあるか
常時稼働型エージェントは各社が横並びで投入しており、表面的には似たような製品が乱立している。その中でPerplexityが月200ドルという強気の価格設定を維持できるかは、「本当に使える」という実績を積めるかどうかにかかっている。
Grok Botsの事例が示すように、安価に見えても制限が厳しければユーザーの不満につながる。制限なく安定稼働できるという信頼性をTeammatesが実証できれば、企業ユーザーにとって200ドルは許容範囲内の投資になりうる。逆に、競合が使用制限を緩和しながら価格を維持してきた場合、Perplexityの高価格路線は孤立しかねない。常時稼働型エージェント市場の勝者がどこになるかは、価格よりも「実際に何ができるか」が決定的な要因になると見られる。
詳細はPerplexity now has its own always-on AI agentを参照していただきたい。




