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DeepMind創業者HassabisがAlphabetのチーフサイエンティストに就任 — AGI開発の指揮をGoogleが一本化

8月7日、InfoWorldが「DeepMind founder ascends to singular AI role at Google」と題した記事を公開した。GoogleがAGI開発の指揮系統を一本化するという、AI業界全体に影響しうる大規模な人事異動の内容だ。

8月7日、InfoWorldが「DeepMind founder ascends to singular AI role at Google」と題した記事を公開した。GoogleがAGI開発の指揮系統を一本化するという、AI業界全体に影響しうる大規模な人事異動の内容だ。


なぜ今、この人事が重要なのか

OpenAIやAnthropicがAGI実現を掲げてリソースを集中させる中、Googleがとった手は「自社が誇る最高の研究者をAlphabet全体のトップに据える」という大胆な組織判断だった。Google DeepMindの中心人物であるDemis Hassabisを、Alphabet全体に影響力を持つチーフサイエンティストとして任命することで、研究・開発・事業戦略をAGIという一点に収束させる意図が明確に示されている。

AGI(汎用人工知能)とは、画像認識や言語処理といった特定タスクに限定されない、人間レベルの汎用的な知的能力を持つAIを指す。現在の生成AIブームの「その先」として業界全体が開発競争を繰り広げているテーマであり、OpenAIのSam AltmanやAnthropicのDario Amodeiも明示的にAGIを目標として掲げている。Googleにとって、この競争軸でのリーダーシップを内外に示す人事であるとも読める。


HassabisがAlphabetのチーフサイエンティストに昇格

AlphabetのCEO Sundar PichaiはGoogleの社内ブログ「Inside Google」で、HassabisをAlphabetのチーフサイエンティストに任命すると発表した。この役職により、Hassabisは「AGI(汎用人工知能)の未来を積極的に形作ることに全力を注げるようになる」とPichaiは述べている。

Demis Hassabisは1976年生まれのイギリス人研究者で、神経科学のバックグラウンドを持つ。チェスの神童としても知られ、ゲーム開発を経て2010年にDeepMindを共同創業した。DeepMindはAtari社のゲームを自己学習でクリアするDQNや、タンパク質の立体構造予測を革新したAlphaFoldなどで世界的な注目を集め、2014年にGoogleに買収された。Hassabis自身は2023年にノーベル化学賞を受賞しており(AlphaFoldの功績による)、科学者としての国際的な評価は疑いようがない。


Jeff Deanの退任とその意味

前任のチーフサイエンティストはJeff Deanだ。TensorFlowの開発や大規模分散学習の基盤整備など、Googleの機械学習研究を長年にわたって牽引してきたベテランエンジニアとして知られる。そのJeff Deanがスタートアップへの転身のためAlphabetを去ることは、業界的にも一つの区切りといえる出来事だ。移籍先のスタートアップの名称・分野については元記事の時点では明らかにされていない。


DeepMindのCEOは交代、Hassabisは会長に

ただし、Hassabisの役割がAGI一本に絞られるわけではなく、複数の兼務が続く点は整理が必要だ。

  • DeepMind CEO職は退任するが、引き続き会長(Chair)として組織に関与する
  • Googleのスピンオフである**Isomorphic Labs**(創薬分野のAI研究を手がける)の研究リードは継続する
  • DeepMindのCEOを引き継ぐのは、現CTOのKoray Kavukcuoglu。Pichai直属のレポートラインとなる

Koray Kavukcuogluはトルコ出身の機械学習研究者で、深層強化学習の分野で多くの業績を持ち、DQNをはじめとする著名な研究にも関わってきた人物だ。DeepMind内で長年CTOを務めており、研究組織のマネジメント経験も豊富である。Hassabisの後任として、研究の実務トップを担う素地は十分にある。


組織再編の背景と文脈

DeepMindは2023年にGoogle BrainとDeepMindを統合して発足した組織だ。Google BrainはTransformerアーキテクチャの発明元としても知られ、現在の大規模言語モデルブームの礎を築いた研究部門である。この二大研究組織を一つに束ね、GeminiをはじめとするGoogleの主要AI開発を担う体制として再編されたのがGoogle DeepMindだ。

その創業者をAlphabet全体のチーフサイエンティストに据えるという今回の人事は、統合後の組織が軌道に乗ったことを前提に、次のフェーズとしてAGI開発を経営の最重要課題に引き上げる意思決定と解釈できる。OpenAIやAnthropicとの競争が激化する中、Googleがトップ研究者の権限と影響力をAlphabet全体に拡張しようとしている構図が、この人事から鮮明に浮かび上がる。


詳細はDeepMind founder ascends to singular AI role at Googleを参照していただきたい。