powered by TechFeed
表示モード
Deep Dive

AirbnbがAIで製品開発時間を約60%削減、人員そのままで機能リリース80%増 — CEOが「AIはわが社に起きた最良のこと」と断言し株価15%急騰

8月7日、CNBCが「Chesky says Airbnb will spend 'a lot more' on AI as earnings beat and stock surges 15%」と題した記事を公開した。AirbnbのCEO Brian CheskyがAI投資の拡大を宣言し、業績回復の主因としてAI活用を挙げたことについて詳しく紹介されている。

8月7日、CNBCが「Chesky says Airbnb will spend 'a lot more' on AI as earnings beat and stock surges 15%」と題した記事を公開した。AirbnbのCEO Brian CheskyがAI投資の拡大を宣言し、業績回復の主因としてAI活用を挙げたことについて詳しく紹介されている。


「AIはAirbnbに起きた最良のことだ」

Airbnbの株価が8月8日(金)に15%急騰した。Q2決算が予想を上回り、通年見通しが引き上げられたためだ。CEO Brian Cheskyはその要因を明言している。

「AIはAirbnbに起きた最良のことだと言っても、今では安心して言える。我々はAIネイティブな企業になりつつあり、それが今回の業績結果を説明するナンバーワンの要因だと思う。」

1年前、Cheskyが社内で問うていたのは「AIはAirbnbにとって良いのか、悪いのか」という問いだったという。その懐疑が、ここまで変わった。

なお、Airbnbの2026年Q2決算は売上・利益ともにアナリスト予想を上回っており、通年ガイダンスの引き上げも株価急騰の直接的な契機となった。Airbnbは世界220以上の国・地域で事業を展開し、年間数億泊規模の予約を取り扱うプラットフォームであり、そのスケールにおけるAI活用の成果は業界への示唆が大きい。


具体的な数字:AI投資の効果

Cheskyが示した内部数値は具体的だ。

  • 製品開発時間を約60%削減
  • フィーチャーのリリース数が前年比約80%増
  • ヘッドカウント(人員数)はほぼ横ばいのまま、AI支出は急増

カスタマーサービスでは、AIエージェントと対話したゲストの45%が人間のサポート担当者と話す必要がなくなったという。

Cheskyは「需要増、供給増、カスタマーサービスコストの削減——あらゆる面で効いている」と述べた。


ROIが出ているからこそ「もっと使う」

多くの消費者向け企業が「AI推論コスト(inference cost)に見合う収益を出せるか」という問いに答えを出せずにいる中で、Cheskyはこの点で強気だ。

「AIトークンにかかるコストは、1件の予約で得られる収益と比べると取るに足らない。製品開発の加速で生まれる追加収益も加えれば、ROIは明確だ。」

このためAirbnbは、当初の予測より今年のAIトークン消費を大幅に増やす方針だ。一方で、全処理を高コストのフロンティアモデル(OpenAIやAnthropicの最新・最上位モデル)に投げるのではなく、12以上のモデルを使い分けるアプローチを取っている。コーディング用途ではAnthropicのClaude CodeやOpenAIのCodexを活用しているとした。

Cheskyの言葉は明快だ。「適切な仕事に適切なツールをあてがう。コンシューマー向けの大半のタスクには、最も高価なモデルは必要ない。」


人を減らすためではなく、人から多くを引き出すために

エンジニア組織への影響として注目されるのは採用戦略の変化だ。Cheskyは「AIで人員を削減するのではなく、同じ人員からより多くのアウトプットを引き出す」という方針を強調した。

生産性の向上はまずエンジニアから始まり、プロダクトマネジメント、デザイン、マーケティング、クリエイティブサービスへと広がったという。「AIの影響をこれほど過小評価していたとは」とCheskyは振り返った。

AI活用の社内指標として個人のトークン使用量も追跡しているが、「比較的粗い指標」として位置付け、チームのアウトプットをより重視していると説明した。


体制面:MetaのLlama責任者をCTOに招聘

AI推進の組織面での象徴として、AirbnbはMetaの生成AI部門トップとしてLlamaシリーズの開発を率いたAhmad Al-Dahleを1月にCTOとして迎えている。Cheskyは「Al-Dahle着任前はAI領域で中程度の位置にいた」と認めつつ、「AIネイティブ化」を明確なミッションとして与えたと語った。


チャットボットが「旅行予約の窓口」になるとは見ていない

OpenAIやGoogleなどのAIエージェントが旅程(itinerary)を組み立て、予約まで完結させるシナリオについて、Cheskyは懐疑的だ。

「旅行はビジュアルで判断するものだし、比較がテキストだけでは難しい。チャットインターフェースは旅行に適したUIではない。」

インスピレーション探しや旅程作成には有用になっていくと認めつつも、「近い将来、チャットボットが主要な予約プラットフォームになるとは見ていない」と明言した。


足元の事業

初回予約者(first-time bookers)の伸びは4年ぶりの最速ペース。ホテル予約は従来の住宅貸し出しリスティングの3倍のペースで成長しているとChesky。「我々の全盛期は2010年代ではない。最良の日々はこれからだ」と締めくくった。


詳細はChesky says Airbnb will spend 'a lot more' on AI as earnings beat and stock surges 15%を参照していただきたい。