8月30日、Towards Data Scienceが「4 Claude Skills Every Data Scientist Needs in 2026」と題した記事を公開した。データサイエンティストが2026年に習得しておくべきClaudeの実践的な活用スキルとして、Research・Chat・Design・Codeの4つが紹介されている。単に「Claudeを使う」のではなく、タスクに応じてモードやツールを使い分けることで出力品質に明確な差が生まれる点が本記事の核心だ。
Claudeには用途別に複数のモード・ツールが存在する。記事が取り上げる4つのスキルは、それぞれ「Researchモード」「Chatモード(HTMLブリーフ生成)」「Claude Design」「Claude Code」に対応している。なお、Claude DesignとClaude Codeはいずれも比較的新しい機能であり、2025〜2026年にかけてAnthropicが段階的に提供を拡充しているツール群の一部だ。読者がまだ触れていない場合は、Anthropicの公式プロダクトページで最新の提供状況を確認することを推奨する。
1. Deep Research:モデル選定の調査を丸ごと任せる
ClaudeがWeb検索を行う場合、通常の「Web search」は1回の検索で単一の回答を返す。一方、Researchモード(Deep Research)は複数の連鎖的な検索を自律的に実行し、各検索の結果を次の検索に活かしながら、最終的に引用付きの包括的なレポートを生成する。
有効化の手順は以下の通りだ。
- チャットウィンドウ左下の「+」ボタンをクリック
- 「Research」を選択(青いインジケーターで有効を確認)
- 自動でトリガーされない場合は「Claude, please use the research tool to...」と明示する
記事で紹介されている具体的なプロンプト例を見ると、このモードの実力がわかる。
Compare classical statistical forecasting methods (SARIMA, exponential smoothing) against gradient boosting and transformer-based models for hourly energy load forecasting. For each approach, summarize accuracy on multi-day horizons, data volume requirements, and documented failure modes. Cite specific papers or benchmarks.
このプロンプトに対してClaudeは、TLDR/サマリー → 手法概要 → 偽陽性パターン → 計算コスト → 選定ガイダンス → 注意事項という構成のレポートを返すという。通常なら数時間かかる文献調査を自動化できる。
ただし注意点がある。Researchモードが参照する情報源は学術論文とは限らない。記事の筆者によれば、誰でも投稿できるMediumのようなブログ記事も検索対象に含まれることが確認されており、引用元のダブルチェックは必須だ。
2. Chatモード × HTMLブリーフ:非技術系ステークホルダー向け資料を一発生成
記事における「Chat」スキルの実践例として紹介されているのが、通常のChatモードを使ったHTMLプロジェクトブリーフの生成だ。専用モードではなく、ClaudeのデフォルトのChatインターフェースで実行できる点が特徴で、別途ツールの切り替えは不要だ。
モデルの改善計画を非技術系の関係者に説明する際、過度に技術的な資料は逆効果になる。ClaudeはHTMLの1ページ要約資料の生成が得意で、記事では以下のような情報をプロンプトに含めることを推奨している。
- 課題と背景:現行モデルの何が問題か
- アプローチ:技術的な改善方針の概要
- タイムライン:マイルストーンと目標日
- ステークホルダー:関係者の役割
- 未解決事項:残課題
出力されたHTMLブリーフには視覚的なタイムラインも含まれ、2分以内にスキャンできる1ページ構成になるよう指示できる。生成後のHTMLをそのままブラウザで開いて共有できる点も実用的だ。
なお筆者は「フォーマットのズレが生じることがある」と指摘しており、プロンプトにテキストの重なりやズレがないかの確認指示を含めることを推奨している。
3. Claude Design:スライドデッキのテキスト崩れ問題を解消
Claude DesignはChatとは独立した専用ツールで、スライドデッキ・モバイルアプリデザイン・HTMLメール・請求書・履歴書といった、テキストの配置と書式が重要な構造化ドキュメント向けに設計されている。通常のChatでスライドを生成するとテキストの重なりや位置ズレが起きやすいが、Designモードはこれを抑制する。
記事ではMLプロジェクトの月次ステークホルダー報告用3枚スライドの生成例が示されており、MAE 12.4%(前四半期比19%から改善)、トップ四分位精度91%といった具体的な数値を含むスライドが出力されている。
使い方はClaude左下の「Design」アイコンから「Slides」テンプレートを選択し、デザインシステムを選ぶだけだ。生成後は右上の「Edit」ボタンで手動修正もできる。Claude DesignはAnthropicが提供する比較的新しいツールであり、利用可能なプランや対応状況は公式ドキュメントで確認してほしい。
4. Claude Code:READMEとドキュメント生成
Claude Codeはターミナルから操作するAIコーディングエージェントで、コードを書くだけでなく、既存のコードベースを読み込んで理解する能力に長けている。Anthropicが2025年にリリースした比較的新しいツールであり、公式ドキュメントに詳細な導入手順が掲載されている。
記事の筆者は「2つの異なるAIツールで変更を加えたリポジトリを、Claude CodeにGitHub経由で読み込ませ、変更の検証・デバッグを行った」という実務での活用例を紹介している。
READMEの生成には以下のようなプロンプトが有効だ。
Read this training script and evaluation notebook. Generate a README covering what the model predicts, the input features, how it was trained and validated, known limitations, and steps to load and retrain the model. Assume the reader has never seen this codebase.
ただし「READMEの精度はClaudeが読み込むコードの品質に依存する」という点は明記されており、コード自体に問題があればREADMEも正確にはならない。
まとめ:4つのスキルとその対応関係
整理すると、記事が紹介する4スキルと対応するClaudeの機能は以下の通りだ。
| スキル | 対応機能 | 主なユースケース |
|---|---|---|
| Research | Researchモード(Deep Research) | 文献調査・手法比較レポート |
| Chat | Chatモード(HTMLブリーフ生成) | ステークホルダー向け1ページ資料 |
| Design | Claude Design | スライド・構造化ドキュメント |
| Code | Claude Code | コードベース解析・README生成 |
記事の筆者は「タスクに応じてどのモードを使うか実験することを強くすすめる」とまとめている。各機能は一部重複する部分もあるが、適切な使い分けが出力品質に明確な差をもたらすという点が本記事の結論だ。
詳細は4 Claude Skills Every Data Scientist Needs in 2026を参照していただきたい。




