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AppleがSiriをGeminiベースで全面刷新——技術的負債が限界を迎え、Google協業という異例の決断へ

9月15日、The Decoderが「Apple brings a fully revamped Siri built on Google's Gemini, but not to the EU」と題した記事を公開した。AppleがGoogleのGeminiモデルを基盤に全面再構築したSiriをiOS 27でリリースしたこと、およびEU・中国での提供が見送られたことについて詳しく報じている。

9月15日、The Decoderが「Apple brings a fully revamped Siri built on Google's Gemini, but not to the EU」と題した記事を公開した。AppleがGoogleのGeminiモデルを基盤に全面再構築したSiriをiOS 27でリリースしたこと、およびEU・中国での提供が見送られたことについて詳しく報じている。


なぜAppleはGoogleのモデルを選んだのか

今回のSiri刷新を理解するには、その背景にある経緯を押さえておく必要がある。Appleは長年にわたり独自のSiriアーキテクチャを積み上げてきたが、その技術的負債が限界に達しつつあったことをThe Decoderは以前から報じていた。2025年にはSiri担当責任者が辞任するなど組織的な混乱も表面化しており、今回のリリースはその後始末という側面も持つ。

AppleとGoogleは検索広告収入の分配契約など広範な協業関係にある企業同士でもあり、Gemini採用が「ライバルへの依存」という単純な構図に収まらないことは注記しておきたい。それでも、競合他社のモデルをSiriの中核に据えるという判断は、Appleの自社開発優先の原則からの大きな転換であることに変わりはない。


GoogleのGeminiを基盤とした「Siri AI」

長年の遅延と人員流出を経て、Appleはついに次世代のSiriを正式にリリースした。新しいSiriは「Siri AI」と名付けられ、GoogleのGeminiモデルを基盤に全面再構築されている。現時点では英語のみのベータ提供で、フランス語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語は翌月対応予定とされている。

対象プラットフォームはiOS 27、iPadOS 27、macOS 27、watchOS 27、visionOS 27だ。本記事公開時点(2026年9月)において、これらは最新の年次メジャーリリースとして提供されているものを指す。

モデルの実行形態は、オンデバイス処理と**Private Cloud Compute**(Appleのプライバシー重視クラウド推論基盤)の組み合わせ。Private Cloud Computeは、Appleが設計・運用するサーバー上でリクエストを処理しつつ、パーソナルデータをApple自身も保存・参照できない仕組みを指す。Appleはパーソナルデータの保存・アクセスは行わないとしている。


何ができるようになったか

新Siriが旧世代と根本的に異なる点は、個人的なコンテキストを理解する能力だ。メッセージ・メール・写真を参照し、画面上のコンテンツを読み取り、Webから情報を引き出す。

Appleが挙げている具体例は実用的だ:Messagesで話題に出た家族のレシピを検索し、その食材をRemindersアプリに転送する、といった複数ステップをまたぐ操作を自然言語だけで実行できる。WhatsAppやAudibleなどサードパーティアプリにも対応し、OutlookやNotabilityへの対応も予定されている。

呼び出し方は「Hey Siri」のほか、サイドボタン、Dynamic Island、iPadとMacではSpotlightからも可能。専用のSiriアプリがiCloudでチャット履歴を同期する。ディクテーション機能はオンデバイスモデル「AFM Core Advanced」で動作するとされている。


EUと中国では提供されない

Siri AIおよびそれに依存するすべての機能は、iOS・iPadOS・watchOSにおいてEUでは当面提供されない。Appleはユーザーのプライバシーと安全性を確保する方法を検討中としている。中国でも規制要件が解消されるまで提供しない。

EUでの除外は、EU AI法デジタル市場法(DMA)に基づく規制上の不確実性が背景にあるとみられるが、記事では詳細な理由には踏み込んでいない。Apple Intelligenceの各機能がEUで段階的に制限・遅延されてきた経緯とも連続する動きだ。

また、サーバー側の機能には日次の使用上限が設けられ、拡張アクセスは有料になる見通しだ。


初期テスターの評価:「また使い始めた」と「幻覚」が共存

TechCrunchのIvan Mehtaは、多くのユーザーと同様にSiriを見切っていたと認めた上で、iOS 27ベータ以降はマルチステップのリクエストや画面コンテキスト活用でSiriを実際に使い始めたと報告している。一方でベータ段階では、ノートを誤った場所に保存するといった不具合もあったとしている。

Six ColorsのDan Morenは、CarPlay経由でテーマだけを伝えて古いポッドキャストのエピソードを見つけ出した例を挙げ、実用レベルに達していると評価する。ただし誤解やハルシネーション(事実でない情報の生成)への注意も促している。また、常時提示される文章補完ヘルプが「やや押しつけがましい」と感じることもあると述べており、総じて「Appleの約束をほぼ果たしている、ただ数年遅れで」という評価だ。

MacStoriesのFederico Viticciはより辛口だ。画面コンテンツの読み取りは評価する一方、個人的なコンテキストに関する質問(情報がメッセージ内にあるにもかかわらず)に繰り返し失敗し、回答が古かったと報告している。


詳細はApple brings a fully revamped Siri built on Google's Gemini, but not to the EUを参照していただきたい。