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元IntelエンジニアたちがAIデータセンターの「GPU待ちぼうけ問題」に挑む — ネットワーキングチップ開発で1億ドル調達

9月16日、Inside AIが「Delos Data Raises $100 Million for AI Data Center Networking Chips」と題した記事を公開した。元Intelエンジニアたちが創業したDelos DataがAIデータセンター向けネットワーキングチップの開発資金として1億ドルを調達したことを伝えている。

9月16日、Inside AIが「Delos Data Raises $100 Million for AI Data Center Networking Chips」と題した記事を公開した。元Intelエンジニアたちが創業したDelos DataがAIデータセンター向けネットワーキングチップの開発資金として1億ドルを調達したことを伝えている。


GPUが「待ちぼうけ」になる問題

AIデータセンターの投資額は2026年に2,500億ドルを超えると予測されている。だが、その投資が実際の処理性能に直結しているかというと、そうではない。

元Intel CEOで現在はベンチャーファームPlaygroundのパートナーを務めるPat Gelsingerは問題をこう表現した。

「世界中のコンピュータを手に入れても、デバイス同士が効果的に通信できなければ、電力を浪費して指をくわえているだけの高価なハードウェアが残るだけだ」

これはレトリックではなく、現場で起きている具体的な問題だ。AIデータセンターの用途が大規模モデルのトレーニングから、自律型エージェントのインファレンス(推論処理)にシフトしつつある。トレーニングは予測しやすいバッチ処理が中心だが、エージェント型AIのインファレンスは小さくて断続的なリクエストが大量に発生し、迅速かつ確実なルーティングが必要になる。

さらに、かつては均質だったデータセンターが今や複雑化している。NvidiaのGPUに加え、AMD、Cerebras Systems、さらに複数世代のNvidiaアーキテクチャが混在するようになった。異なるチップ間のデータ転送を最適化する「ネットワーク層」が、ボトルネックとして浮上している。


Delos Dataのアプローチ

Delos DataはCTOでCo-FounderのDan Dalyをはじめ、Intel出身のエンジニアたちによって創業されたスタートアップだ。Dan DalyはIntelでネットワーキングおよびシリコン設計に長年携わってきた人物で、同社の技術的方向性を主導している。

同社は、ネットワーキングチップとソフトウェアの組み合わせでボトルネック問題に対応する。主張するポイントは二つだ。

  • ハードウェア非依存:どのコンピューティングチップが接続されていても、可能な限り高速にデータを転送できる
  • ソフトウェア抽象化層:新しいチップを導入してもネットワーキングのロジックを書き直す必要がない

後者は特にハイパースケーラー(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud)にとって重要だ。これらの企業はすでに独自シリコンを開発しており、特定ベンダーへの依存(ベンダーロックイン)を避けたいという需要がある。

Dan Dalyはこう述べている。

「エージェント型AIの次のインフラアーキテクチャが何になるかは分からない。しかし、データを最速で動かす手段を提供できることは分かっている」


競合の壁は厚い

ネットワーキング市場には強力な先行者がいる。Nvidiaのネットワーキング事業はInfiniBandおよびSpectrum-X Ethernetを柱とし、直近の会計年度で130億ドル超の売上を記録している。BroadcomのTomahawkおよびJerichoシリーズはAI向けイーサネットスイッチングで支配的な地位にある。MarvellやCiscoも長くデータセンター向け製品を展開してきた。

Delos Dataは「既存ソリューションは過度に独自規格に依存しているか、エージェント型AIの混在環境に最適化されていない」と主張する。現行のInfiniBandやBroadcom Tomahawkベースのソリューションが特定ベンダーのエコシステムへの依存を前提に設計されているのに対し、Delos Dataはハードウェア非依存のソフトウェア抽象化層による差別化を図るとしている。もっとも、実際の性能優位をどこまで示せるかが今後の課題となる。製品の提供時期や顧客については、今後数ヶ月以内に詳細を公表するとしており、現時点では不明だ。


調達の背景

今回の資金調達はMatrix PartnersとPlaygroundがリードし、Socratic Partners、Capricorn、Matter Venture Partners、IAG、DYNAMIQが参加した。1億ドルの資金はエンジニアの採用と最初のチップのテープアウト(※半導体設計の最終工程。製造向けにマスクデータを確定させること)に充てられる。

GelsingerはIntel CEO在任中にNvidiaに対抗するAIチップ戦略を推進したが、2024年末に退任した経緯がある。ベンチャー投資家に転じてネットワーキングスタートアップに出資したことは、コンピューティング層ではなくインターコネクト層が次の競争軸だという見立てを示している。


詳細はDelos Data Raises $100 Million for AI Data Center Networking Chipsを参照していただきたい。