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KiroのAIがコードベース全体を一度に読めるようになった — GPT‑5.6が100万トークンに対応し、ファイル選別もチャンキングも不要に

9月14日、Kiroが「GPT‑5.6 models now support 1 million token context windows in Kiro」と題した記事を公開した。10万行超のリポジトリでも全体をコンテキストに載せて一度に処理できる——そう聞くと誇張に聞こえるかもしれないが、今回の発表はまさにその水準の変化を意味している。KiroのIDE・CLI・Web全環境でGPT‑5.6モデルが100万トークンのコンテキストウィンドウをサポートし、従来は不可欠だったファイルの手動選別・チャンキング・サマリー圧縮が原理的に不要になった。

9月14日、Kiroが「GPT‑5.6 models now support 1 million token context windows in Kiro」と題した記事を公開した。10万行超のリポジトリでも全体をコンテキストに載せて一度に処理できる——そう聞くと誇張に聞こえるかもしれないが、今回の発表はまさにその水準の変化を意味している。KiroのIDE・CLI・Web全環境でGPT‑5.6モデルが100万トークンのコンテキストウィンドウをサポートし、従来は不可欠だったファイルの手動選別・チャンキング・サマリー圧縮が原理的に不要になった。


コードベース全体を1リクエストで処理できるようになった

従来のGPT‑5.6のコンテキスト上限は272Kトークンだった。それが今回、100万トークンまで拡張された。単純な量の増加ではなく、「何ができるか」自体が変わる規模の変化だと記事は強調している。

100万トークンとはどれほどの量か。 おおよそ75万単語・数百ファイル規模に相当し、中規模のWebアプリケーション全体のソースコードをまるごと収められるイメージだ。チャンキング(長い入力を分割して処理する手法)やサマリーへの要約なしに、コードベース・長文ドキュメント・長期の会話履歴を丸ごと1回のリクエストに収められる。

なお、GPT‑5.6はOpenAIとAmazon Bedrockで提供されるモデルファミリーであり、KiroはこれをIDEバックエンドとして採用している。OpenAIの公式モデルラインナップにおけるGPT‑4o系・o1/o3系との詳細な位置づけについては現時点で明示的な情報が少ないが、Kiroドキュメントのモデルページに随時情報が追加される見込みだ。

競合AI IDEとのコンテキスト上限比較

100万トークンという数字の意味は、競合との対比で見るとより鮮明になる。

※編集部の考察:執筆時点では、GitHub CopilotのChat機能は数万トークン前後、Cursorは最大200K前後のコンテキストウィンドウを利用可能とされている(各社の公式発表・ドキュメントに基づく概数)。KiroのGPT‑5.6が提供する100万トークンはこれらと比較して4〜20倍以上の規模であり、リポジトリ全体を一括処理できるという質的な違いをもたらす可能性がある。


100万トークンが特に効く3つの場面

記事では、この拡張が特に効く場面として3つが挙げられている。

1. リポジトリ全体を対象にしたコードレビュー・移行・リファクタリング

これまでは、大規模なレガシー移行や依存関係のマッピング、クロスファイルのアーキテクチャ監査を行う際、対象ファイルを手動で選んでコンテキストに積み込むか、セマンティック検索で「それっぽいファイル」を近似的に取ってくる必要があった。100万トークンがあれば、厳選されたスライスではなくコードベース全体を対象に実行できる。

2. エンドツーエンドのデバッグ

難しいバグほど単一ファイルには収まらない。APIレイヤー・スキーマ・アプリケーション状態の相互作用から生まれることが多い。100万トークンのコンテキストがあれば、アプリケーション全体に加えて複数ターンの実行ログやツール出力も一緒に渡せる。途中の履歴を圧縮して切り落とす必要がなくなる。

3. 長期エージェントタスクの安定性向上

マルチステップのエージェント作業では、コードの反復履歴・コンパイル出力・ターミナルログといったセッション全体の履歴をコンテキストに保持できる。これにより、再プロンプトの頻度が下がり、長期タスクの完了精度が上がると説明されている。


料金体系:272Kを超えると2倍課金

100万トークン対応に伴い、GPT‑5.6ファミリーのKiroクレジット乗数が更新された。272Kトークンまでは短いコンテキストレートが適用され、それを超えると2倍になる。これはOpenAIおよびAmazon Bedrockの長コンテキスト価格設定と統一されている。

モデル Kiroクレジット乗数(272K以下)
GPT‑5.6 Sol 4.4x
GPT‑5.6 Terra 2.2x
GPT‑5.6 Luna 1.1x

272Kトークンを超えるリクエストは、上記の2倍のレートで課金される。詳細はモデルドキュメントで確認できる。


対象プランと利用開始方法

100万トークンコンテキストは、Kiro Pro・Pro+・Pro Max・Powerの各プランに対して段階的にロールアウト中だ。なお、グローバルクロスリージョン推論を実験的サポートとして使用する形での提供となる点には注意が必要だ。グローバルクロスリージョン推論とは、リクエストをレイテンシーや負荷に応じて複数リージョンのサーバーに分散して処理する仕組みを指す。処理されるリージョンが固定されないため、データの保管場所や越境転送に関する規制(GDPRなど)が厳しい組織・プロジェクトでは、利用可否をあらかじめ確認しておくことが望ましい。詳細はKiroのデータ保護ドキュメントを参照されたい。

  • IDEまたはCLIKiroをダウンロードするか、IDEまたはCLIを再起動して最新モデルを確認する
  • WebKiro Webでブラウザを更新するとモデルセレクターにGPT‑5.6が表示される

詳細はGPT‑5.6 models now support 1 million token context windows in Kiroを参照していただきたい。