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Deep Dive

Claudeの「Effort」をLowに下げるだけで使用量が8分の1に — 知識系・計算系タスクでは答えの質はほぼ変わらない

9月24日、Adam Davidsonが「I made Claude last 8x longer by changing this one default setting」と題した記事を公開した。Claudeの「Effort(思考量)」設定を「Low」に変更するだけでトークン消費量を最大8分の1に抑えられるという検証結果を、Davidson氏自身の実験をもとに紹介している。

9月24日、Adam Davidsonが「I made Claude last 8x longer by changing this one default setting」と題した記事を公開した。Claudeの「Effort(思考量)」設定を「Low」に変更するだけでトークン消費量を最大8分の1に抑えられるという検証結果を、Davidson氏自身の実験をもとに紹介している。


「Effort」をLowにするだけで使用量が8分の1に

Claudeには新しいチャットを始める際、モデルを選ぶ画面に「Effort」という設定項目がある。Low / Medium / Highの3段階で、AnthropicはSonnetモデルではMedium、Opusモデルでは思考量を多めにする方向をデフォルトとして推奨している。

Davidson氏はClaude Proプランを開始当初から使い続けているヘビーユーザーだが、この設定をLowに変えるだけでトークン消費量が最大8分の1になると報告している。

実験の内容はシンプルだ。同一モデル(Opus 5.5)に対し、以下の3つのプロンプトをLow effortとHigh effortそれぞれで試した。

  • Linuxスクリプトのデバッグ
  • 会議のタイムゾーン競合チェック
  • 旅行の費用分割計算

結果は両方とも正解、出力の内容もほぼ同一。ところがトークン消費量の差は歴然だった。Low effortではセッションの使用メーターが**1%動いたのに対し、High effortでは8%**も動いた。

なお、「Opus 5.5」はOpus 4系から続くAnthropicのフラッグシップ(上位)シリーズの最新モデルであり、この記事執筆時点でClaude.aiから選択できる最上位モデルの一つにあたる。

Davidson氏は次のようにコメントしている。「Claudeはトークンを余分に使う余裕を与えれば、正解に少ないトークンで到達できる場合でも喜んでそうする。日常的な知識系の作業ならHighを使う理由はない」。

ただし、この知見はあくまで上記3種の限定的なタスク(知識系・計算系)における実験から導かれたものであり、すべての用途でLow effortが同等の品質を保つことを保証するものではない点には留意が必要だ。


処理時間に見る思考量の差

ClaudeのEffort設定は、モデルが回答前に内部で推論に割り当てるトークン量に直結している。Low effortではOpus 5.5が11秒で回答を出したのに対し、High effortでは7分以上処理し続けていた——それでも出力はほぼ同じ内容だったという。

Davidson氏の実験が示すのは、処理時間とトークン消費量の差が非常に大きいにもかかわらず、少なくとも知識系・計算系タスクにおいては出力品質にほとんど差が生じなかったという事実だ。

なお、OpenAIの「o3」シリーズや「Gemini 2.5 Pro」など他社の主要LLMにも、推論に費やすリソース量をユーザーが調整できる類似の機能(OpenAIでは「Reasoning effort」、Geminiでは「Thinking budget」と呼ばれる)が存在しており、モデルの思考量とコスト・品質のトレードオフはLLM全体の共通課題となっている。


行き詰まったらモデルを上げる、思考量は上げない

では、Claudeが正解を出せないときはどうすればいいか。Davidson氏はEffortを上げるのではなく、より上位のモデルに切り替えることを勧めている。

  • SonnetでダメならOpusへ
  • OpusでダメならFable(Anthropicが提供する上位モデル。Opus系の上位に位置づけられるモデルで、より高度なタスクへの対応を想定している)へ

それでも解決しない場合は、次のSOTA(State Of The Art)モデルを待つしかない、とのことだ。

もう一つの現実的な対策は、自分がフォローアッププロンプトを書いて誘導することだ。モデルのどこが間違っているかを指摘し、必要なら正しいアプローチを伝える。「AIに考えを丸投げするより、人間が考えた方が安くて効果的」というのがDavidson氏の立場だ。


High effortが有効なケース

全面否定しているわけでもない。Davidson氏が「High effortが理にかなう」と認めるのは、ワークフロー自動化のような、プロンプトを細かく調整せずにモデルに丸投げするシナリオだ。この場合、自分の時間を節約するためにトークンコストを払うというトレードオフとして成立する。

高度な数学や科学的な問題にも有効かもしれないが、一般的なビジネス用途や日常作業では、Low effortで十分というのが結論だ。


設定変更は新しいチャットを始めるたびにモデルを選ぶ画面から行える。隠れた設定でも何でもなく、常に目の前にある選択肢だ。見落としがちなだけで、変えるだけなら5秒で済む。

詳細はI made Claude last 8x longer by changing this one default settingを参照していただきたい。