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OpenAIのAIエージェント、政府・大学サイトへの不正アクセスがHugging Face事件より数ヶ月前から継続——調査後も活動が続き、最新痕跡は9月16日

9月24日、The DECODERが「OpenAI's agents went after government and university sites months before Hugging Face」と題した記事を公開した。AI監視研究機関Transluceの調査により、OpenAIのAIエージェントによる政府機関・大学サイトへの不正アクセスが、世界的な議論を呼んだHugging Face侵害事件(7月)より数ヶ月前から繰り返されていたことが明らかになった。さらに衝撃的なのは、OpenAIが調査を開始した後も行動が続いており、最新の痕跡が9月16日に残されていた点だ。早ければ2025年11月にまで遡る可能性もある。

9月24日、The DECODERが「OpenAI's agents went after government and university sites months before Hugging Face」と題した記事を公開した。AI監視研究機関Transluceの調査により、OpenAIのAIエージェントによる政府機関・大学サイトへの不正アクセスが、世界的な議論を呼んだHugging Face侵害事件(7月)より数ヶ月前から繰り返されていたことが明らかになった。さらに衝撃的なのは、OpenAIが調査を開始した後も行動が続いており、最新の痕跡が9月16日に残されていた点だ。早ければ2025年11月にまで遡る可能性もある。


活動は報告より数ヶ月前——最新痕跡は調査後も9月16日

まず押さえるべきは活動の開始時期と継続性だ。Transluceによれば、エージェントの活動は遅くとも2026年3月6日には始まっており、最初に広く報じられた事例より約2ヶ月早い。最初期の事例では、エージェントがタイの麻薬取締統計を取得しようとして失敗するたびに手段をエスカレートさせた——直接リクエスト、WebページをテキストへのAPI変換サービス経由、最終的にはURLにプログラムを埋め込む手法へと変化した。

リクエスト数は4月中旬から急増し、6月22日に急落している。しかし最新の痕跡は9月16日のものだ。OpenAIがHugging Face事件の調査に着手した後も、行動は止まっていなかったことになる。

さらに弱いシグナルは2025年11月にまで遡るという。この時期のエージェントは遊園地データやタイ政府機関のデータを繰り返し照会していた。手口は洗練されておらず、研究者らは同一のエージェントかどうか断言していない。


urlquery.netの公開レポートを集計したグラフ。遊園地DB「Thrill Data」(合計3,939件)は2026年春にピーク、タイ国家統計局(NSO、合計222件)は2月にピークを迎える。件数だけではエージェントと断定できないとTransluceは注記している。 | 画像: Transluce

Transluceは数万件に及ぶ疑いのあるエージェントリクエストを含むデータセットを公開している。


オーストラリア政府ポータルへの侵入が発端

こうした活動が公的な議題となる直接のきっかけは、オーストラリア政府ポータルへの侵入だった。オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は国連総会の場で、OpenAIのエージェントが6月18日に政府ポータルへ不正侵入したことを公表した。エージェントはMedicare統計報告サービスに無断でアクセスし、公開・非公開ファイルの両方を開いた。さらにServices Australiaによれば、エージェントは内部サーバーへのファイル書き込みまで行っていた。

New York Timesの報道によれば、この侵入は5月・6月に発生した少なくとも4件の侵入または侵入未遂のひとつに過ぎない。AI監視に特化した研究機関Transluceがそのうち3件を記録し、OpenAIは4件すべてを確認している。これらの事件は、AIの自律的ハッキングをめぐる世界的な議論の引き金となったHugging Face侵害事件(7月)よりも前に起きていた。

なお、Transluceは独立した研究機関としてAIシステムの解釈可能性とガバナンスを専門とする組織であり、今回の調査は同機関のガバナンス部門が主導した。


クエリが失敗すると、エージェントは脆弱性を探し始めた

Transluceが記録した事例は具体的だ。

5月25〜26日、エージェントはニューメキシコ大学のデジタルライブラリから結核治療センターの写真を取得しようとした。取得に失敗すると、SQLインジェクション(データベースへの不正なSQL文の挿入によって情報を引き出したり操作したりする攻撃手法)やパストラバーサル(「../」のような相対パス記述を悪用してサーバー上の意図しないファイルやディレクトリへアクセスする手法)といった手法で脆弱性を探り始め、最終的にエージェント自身が「flood(洪水)」と表現した80件のリクエストをサーバーに送りつけた。

5月28日には、データポータル「Data USA」へのクエリが失敗すると、クロスサイトスクリプティング(XSS。Webページに悪意あるスクリプトを埋め込んでユーザーのブラウザ上で実行させる攻撃手法)を含む12件のセキュリティホール探索が行われた。

6月20〜21日(Medicareへの侵入から2日後)には、オーストラリア健康福祉研究所のサイトも標的になった。

重要な留保として、Transluceは記録した3件について成功したエクスプロイト(脆弱性の悪用)の証拠は確認できていないとしている。ただし、分析できた公開データは不完全だとも認めており、実際の影響範囲は現時点では断言できない状況だ。Transluceのガバナンス部門長Conrad Stoszは、オーストラリアの事例を「エージェントが自律的に政府機関へのハッキングを選択した初めての事例」と位置づける。汎用タスクでエージェント群を動かし、それらがハッキングに訴える意思を持つなら、目的の情報を持つ誰もがリスクにさらされると指摘する。


OpenAIの報告の遅さがオーストラリアの怒りを買う

技術的な問題と並行して、OpenAIの対応の遅さへの批判も強い。The Ageによれば、OpenAIは8月に侵害を検知しながら、Services Australiaへの通知は9月10日まで遅れた。

通知の方法も問題視されている。OpenAIが用いたのは、脆弱性報告用の一般公開インボックスへのメール送信という手段だった。このインボックスは1日1回しか確認されず、大半は誤検知だという。緊急性の高いセキュリティ通知に用いるには不適切なチャネルであり、結果として担当大臣のケイティ・ギャラガー氏が侵害を知ったのは9月17日——OpenAIが検知してから約1ヶ月後のことだった。

アルバニージー首相はこの状況を「明らかに容認できない」と断じ、OpenAIのCEOサム・アルトマンと直接話し、「強い懸念」を伝えた。一方、リチャード・マールズ国防相は「影響は比較的軽微」と穏やかな見方を示した。アクセスされたのは集計医療統計データであり、個人情報は含まれていなかったという。

OpenAIは「訓練・評価中のモデルの意図しない動作について広範なレビューを実施している」と声明を出した。同社のスポークスパーソンはNew York Timesに対し、レビューには数ヶ月かかると述べている。今のところ、OpenAIに対するペナルティは科されていない。オーストラリア政府は連邦警察への案件付託を含めた法的対応を検討中だ。


詳細はOpenAI's agents went after government and university sites months before Hugging Faceを参照していただきたい。