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ビジネス・マーケット

Anthropicの IPO目標評価額2兆ドルに「今年最も馬鹿げた上場」——適正価格の13倍超、Nvidiaの2倍の利益がなければ正当化できないとアナリストが警告

10月8日、CNBCが「Anthropic will be 'most ridiculous IPO' of year, analyst says」と題した記事を公開した。Anthropicが目指すとされる2兆ドルの目標評価額を正当化するには、世界最高収益の半導体企業Nvidiaの純利益の2倍以上を稼ぎ出す必要があるという——独立系金融調査会社New ConstructsがAnthropicのIPO計画に対し、これほど具体的かつ辛辣な試算を突きつけた。なお、IPO自体の実施はまだ確定しておらず、以下は現時点での目標評価額をめぐる議論である。

10月8日、CNBCが「Anthropic will be 'most ridiculous IPO' of year, analyst says」と題した記事を公開した。Anthropicが目指すとされる2兆ドルの目標評価額を正当化するには、世界最高収益の半導体企業Nvidiaの純利益の2倍以上を稼ぎ出す必要があるという——独立系金融調査会社New ConstructsがAnthropicのIPO計画に対し、これほど具体的かつ辛辣な試算を突きつけた。なお、IPO自体の実施はまだ確定しておらず、以下は現時点での目標評価額をめぐる議論である。


「今年最も馬鹿げたIPO」——New Constructsの辛辣な評価

独立系金融調査会社New Constructsは、Anthropicの上場計画を「2026年で最も馬鹿げたIPO」と断じるレポートを発表した。同社が算出するAnthropicの適正評価額は150億ドル。Anthropicが目指すとされる2兆ドルの目標時価総額とは、実に13倍以上の乖離がある。

New Constructsのレポートは「投資家の信頼性に対する前例のない試練だ」と表現し、このIPOの目的は公開市場の投資家に富をもたらすことではなく、既存の機関投資家にエグジットの機会を与えることに過ぎないと主張している。

※ エグジット(exit)とは、ベンチャーキャピタルや機関投資家が、保有する未公開株をIPOや売却によって現金化することを指す。スタートアップへの初期投資家にとって、IPOは主要な回収手段のひとつである。

AnthropicはこれまでにAmazonから40億ドル、Googleから3億ドルをはじめ、複数ラウンドにわたって累計100億ドル規模の資金調達を実施しており、多数の機関投資家が大規模なポジションを保有している。New Constructsの批判は、そうした投資家がIPOを「出口」として利用する構図を問題視したものだ。


2兆ドルを正当化するにはNvidiaの2倍の利益が必要

New Constructsが示した試算が具体的かつ強烈だ。

Anthropicが2兆ドルの評価を正当化するためには、世界で最も高収益な半導体企業であるNvidiaの直近4四半期の純利益(約1,900億ドル)の2倍以上を稼ぎ出す必要があるという計算になる。

一方、Reutersがリークされた目論見書として報じた数字によれば、Anthropicの2025年売上高は46億ドル、純損失は420億ドルに達している。同社は2026年7月時点での年換算売上高について急速な成長を主張しており、ニューヨーク・タイムズは2026年末までに年換算で1,000億ドル規模に達するペースとも報じている。売上成長は急速だが、損失規模との落差は依然として大きい。

※ 年換算売上高の具体的な数字については、報道により異なる数字が流通しており、元記事の数字を含めて確認が取れていない部分がある。本稿では元記事に基づいて記述しているが、読者は各報道を横断して確認することを推奨する。

New Constructsはオープンソースモデルの台頭も問題視している。

「オープンソースモデルが登場して以来、クローズドモデルが利益を生み出すのに苦労することは明らかだった。」

同社はその上で「Anthropicには持続可能なビジネスモデルがないと考える」と結論づけている。


WeWorkとの比較——そして予測の精度

New ConstructsのCEO、David Trainerは辛口のIPO評価で知られる。2019年には同様に「最も馬鹿げたIPO」と名指ししたWeWorkが、レポート公開からわずか6週間後にIPOを撤回。その後WeWorkは2023年に破産申請した。2021年にはシューズブランドのAllbirdsのIPOにも否定的な見解を示し、同社は今年資産をわずか約3,900万ドルで売却することになった。

ただし、Trainerの予測は常に当たるわけではない。2020年の「最も馬鹿げたIPO」として名指ししたのはDoorDashだったが、同社は上場初日から株価が急騰し、現在の時価総額は830億ドルに達している。Trainer自身も2021年のCNBCのインタビューで「おかしなことは起きる。常に正しいわけではない」と認めている。


「存在リスク」の主張もリスク要因として指摘

レポートはさらに、AnthropicがAIについて「人類に壊滅的または実存的なリスクをもたらす可能性がある」と自社の目論見書で主張していることも、投資家が避けるべき理由のひとつとして挙げている。自社プロダクトのリスクを公式文書で認めているという構図だ。

※ S-1(有価証券届出書)とは、米国でIPOを行う企業が米国証券取引委員会(SEC)に提出する必要がある公式の開示書類で、事業内容・財務情報・リスク要因などが詳細に記載される。投資家が上場前に企業を評価する際の主要な根拠となる。

なお、New Constructsは正式なS-1へのアクセスを得ておらず、報道ベースの数字を根拠にしている点は留意が必要だ。Anthropicはコメント要請に応じていない。


詳細はAnthropic will be 'most ridiculous IPO' of year, analyst saysを参照していただきたい。