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ビジネス・マーケット

AnthropicのIPO計画に暗雲 — IPO市場凍結とビッグテック決算ショックが「AI投資は際限のない出費」という市場の疑念を加速させた

10月31日、CNBCが「Anthropic's path to the Nasdaq just got a lot bumpier」と題した記事を公開した。6月のSpaceX案件以降、事実上凍結状態にあるIPO市場で、AnthropicはNasdaq上場の目論見書(S-1)を公開したばかりだ。しかしそのタイミングで、主要パートナーであるビッグテック3社の決算がAI投資への市場不安に火をつけ、上場への道は一段と険しくなっている。

10月31日、CNBCが「Anthropic's path to the Nasdaq just got a lot bumpier」と題した記事を公開した。6月のSpaceX案件以降、事実上凍結状態にあるIPO市場で、AnthropicはNasdaq上場の目論見書(S-1)を公開したばかりだ。しかしそのタイミングで、主要パートナーであるビッグテック3社の決算がAI投資への市場不安に火をつけ、上場への道は一段と険しくなっている。


IPO目前に重なった悪材料

AnthropicがS-1を公開した数日以内に、同社の主要パートナーかつ投資家でもあるMicrosoft、Google、Amazonが四半期決算を発表し、AI投資をめぐる市場の不安に拍車をかけた。

目論見書では、今年前半の純損失が800百万ドル規模(※編集部注:元記事の原文単位はmillion=百万ドル表記であり、桁については元記事原文を直接ご確認いただきたい)、コンピューティングリソースへのコミットメントが数千億ドル規模に上ること、90ページを超えるリスク要因が開示されている。第3四半期の財務データは未公開のままだ。

Futurum GroupのCEO、Daniel Newmanは「AI自体はまだ全速前進だが、それを取り巻く状況が今週興味深い転換を迎えた」とCNBCに語った。ハイパースケーラー(大手クラウド事業者)の決算が「市場に眉をひそめさせ」、「資本構造への疑念」という新たな逆風を生んでいるという。


ビッグテック3社の決算が示したキャッシュフロー圧迫

今週の決算で市場を最も揺るがしたのは、各社のキャッシュフロー悪化だ。ただし、その内実は各社で異なる。

  • Amazon:2四半期連続でフリーキャッシュフローがマイナス。直近12か月で420億ドルの流出
  • Google(Alphabet):フリーキャッシュフローが91億ドルのマイナス。株価は決算発表翌日に約13%下落(※編集部注:「過去最大の下落」との表現は元記事の原文表現を要確認。強い主張を含むため、本稿では原文に即した表現に留めた)
  • Microsoft:フリーキャッシュフローは186億ドルのプラスを維持しており、3社の中でキャッシュフローが黒字を保っている唯一の企業だ。ただし2四半期連続で大幅減少しており、追加資金調達のため250億ドルの社債発行を発表した

設備投資(capex)の見通しも軒並みアナリスト予想を下回った。Microsoftは年間capex予測を1,750億ドルから1,700億ドルに下方修正し、Alphabetは最大2,050億ドル、Amazonは約2,200億ドルの見通しを維持した。

BTIGのマネージングディレクター、Jonathan Krinskyは木曜日のレポートで今シーズンを「Techsas Chainsaw Massacre(テック版チェーンソー虐殺)」と称し、「セクター全体の弱さが無視できないレベルになっている」と記した。

Newmanは「企業が自社のキャッシュフローだけではもはやこれを賄えなくなっている。ますます警戒が必要だ」と述べた。


それでもクラウド需要は堅調

暗い話ばかりではない。Microsoft、Google、Amazonの3社はいずれもクラウド事業の売上がアナリスト予想を上回った。特にGoogleのクラウド部門は前年比で売上が倍増以上となった。

こうしたクラウド需要の底堅さを受け、AIインフラへの支出が「際限のない負債」に陥らないとの見方も出始めている。その文脈で注目されているのがOracleだ。同社は投資家向けイベントで、追加調達を200億ドル以内に抑制し、次期会計年度後半にキャッシュフローがプラスに転じるとの見通しを示した。Citizens証券のアナリストは「最大の投資家懸念——AI投資が際限のない負債・株式発行を要求するという不安——を払拭した」と評価しており、このOracleの姿勢がAI投資の持続可能性を示す一つの先例として市場に受け取られている。


Anthropicは「今のIPO市場そのもの」

IPO市場自体が6月のSpaceX案件以降、事実上凍結状態にある。直近でも生体認証リングメーカーのOura、オーストラリアのAIデータセンター事業者Firmus、SK HynixのSolidigm子会社がIPOを延期・中止。ネオクラウド(新興クラウド事業者)のNscaleやSoftBankのSB Energyも目論見書の更新が止まったままだ。

なお、ネオクラウドとはCoreWeaveやNebius、Nscaleのような、主にAIワークロード向けGPUクラスターを提供する新興クラウド事業者を指す。AnthropicはAmazon・Googleを主軸にしつつも、これらネオクラウドから一部のコンピューティングリソースを調達している。

こうした状況でも、Anthropicへの期待は根強い。Newmanは同社の目論見書を「非常に印象的」と評し、**年間売上成長率1,300%、ネット収益維持率(NRR)900%、推定粗利率85%**という数字を挙げた。NRRとは既存顧客からの収益が前年比でどれだけ拡大したかを示す指標で、100%超は既存顧客だけで売上が純増していることを意味する。900%という数字は、既存顧客の利用拡大が極めて急速であることを示しており、SaaSやAI APIサービスの初期成長フェーズでは見られることがある水準だが、読者は元記事の原文数値を直接確認することを推奨する。

「Anthropicは今やIPO市場の象徴だ。この時期にIPOを強行しようとする企業は、慎重を超えて無謀と言える」(Newman)

ペンシルベニア大学ウォートンスクール教授のDavid Hsuは「素晴らしい技術だが、それがどうやってビジネスとして成立するのか」という根本的な問いを市場が突きつけていると指摘した。


詳細はAnthropic's path to the Nasdaq just got a lot bumpierを参照していただきたい。