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ビジネス・マーケット

リース債務3,557億ドル、FCF赤字3年連続 — MetaのAI投資急拡大を受けS&Pが格付け見通しをネガティブへ

11月2日、My Electric Sparksが「S&P Cuts Meta Outlook to Negative as AI Data Center Spending Surges」と題した記事を公開した。将来リース債務が3,557億ドルに膨らみ、フリーキャッシュフローの赤字が3年連続で続く見通しの中、S&PグローバルがMetaの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げた。CapEx絶対額の大きさよりも、リース負債の急増と投資回収時期の不透明さが格付け機関の懸念を呼んでいる。

11月2日、My Electric Sparksが「S&P Cuts Meta Outlook to Negative as AI Data Center Spending Surges」と題した記事を公開した。将来リース債務が3,557億ドルに膨らみ、フリーキャッシュフローの赤字が3年連続で続く見通しの中、S&PグローバルがMetaの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げた。CapEx絶対額の大きさよりも、リース負債の急増と投資回収時期の不透明さが格付け機関の懸念を呼んでいる。


問題はCapExそのものより「リース債務」

S&Pグローバル・レーティングスは10月30日、Meta Platformsの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。格付け自体はAA-を維持しており、即時の格下げではなく将来的な格下げの可能性を示す警告だ。

S&Pが格付けで特に問題視しているのは、設備投資の規模そのものよりも、データセンターのリース債務だ。Metaは自前でデータセンターを建設・所有するだけでなく、大規模リースで容量を確保している。S&PはこのリースをAdjusted Debt(調整後負債)に算入する。

直近四半期時点での将来リース債務は3,557億ドルに達しており、前四半期の約2,790億ドルから大幅に膨らんだ。この中には「Beignet」「Sopaipilla」といった大型データセンタープロジェクトが含まれており、後者はテキサス州エルパソへの建設提案サイトだ。

このリース負債の増加を受け、S&Pが算出するAdjusted Leverageは2025年時点で約0.1倍だが、格下げトリガーとなる1.0倍を2027年にも超える可能性があると指摘している。2028年には新規リースの開始が重なり、1.3倍に達すると予測されている。


S&Pが示すCapEx予測

引き下げの直接的な引き金となったのが、AIデータセンターへの投資急増だ。S&Pが示した設備投資(CapEx)の予測は以下の通りだ:

  • 2026年:1,400億ドル
  • 2027年:2,250億ドル超(従来予測は1,630億ドル、620億ドル以上の上振れ)
  • 2028年:2,520億ドル(従来予測は1,780億ドル)

2027年単年で従来予測から少なくとも620億ドルの上積みとなる。


フリーキャッシュフローの赤字が3年続く見通し

S&Pは以下のフリーオペレーティングキャッシュフロー赤字を見込んでいる:

  • 2026年:▲220億ドル
  • 2027年:▲710億ドル(ピーク)
  • 2028年:▲390億ドル

従来予測では2028年に黒字回復を見込んでいたが、その想定は崩れた。

Metaはこの資金不足に対応するため、クラスA株250億ドルと強制転換型優先株125億ドルで合計375億ドルを調達済みだ。さらに2027年1月以降、クラスC株の売却で600億ドルの追加調達を計画しているが、S&Pはベースケースにこの計画を含めていない。仮に実行されたとしても、2028年のレバレッジは1.1倍と、依然として1.0倍の閾値を超えた状態が続くと試算している。


AI投資の回収が見通せない

S&PがMetaの格付けに疑問を呈する核心は、AIへの投資回収スピードの不透明さだ。

GoogleやMicrosoftといった同業他社はデータセンターの計算リソースを外部顧客に貸し出すクラウドビジネスを持ち、AIインフラの収益化が比較的早い。一方Metaは自社アプリ・自社モデルへの活用が主体で、外部への貸し出し収益がない。S&Pは「MetaのAI投資の収益化能力はピアより限定的」と明示している。

元記事ではAIを活用したアプリ「Muse」が将来の収益源になり得る可能性をS&Pも認めているとしているが、「それが増大するコストをカバーできるまでにどれだけかかるかは不明」としている点は変わらない。


本業の広告は依然好調

一方で広告ビジネスは力強い。直近四半期の売上高は前年比26.1%増、広告収入も25.9%増だ。S&PはMetaを「Alphabetに次ぐ最大のデジタル広告プラットフォーム」と評価しており、Meta全アプリでの1日あたりアクティブ人数は36.4億人に達している。

ただし同四半期は多額の支出増加と青少年メンタルヘルス訴訟の和解費用98.9億ドルが重なり、営業利益率は40%から20%に低下した。


格下げはまだ確定ではない

「ネガティブ見通し」は格下げそのものではなく、市場はこの種のシグナルを実際の格下げより早く織り込む傾向がある。S&PはMetaの事業基盤そのものは引き続き高く評価しており、格付けはAA-を維持している。

S&Pが今後注視するのは3点だ。第一に2027年に向けた明確な支出ガイダンス、第二にAI収益の実現スピード、第三にリース増加ペースの鈍化だ。次の業績ガイダンス発表が、見通しの行方を左右する最大の分岐点になる。


詳細はS&P Cuts Meta Outlook to Negative as AI Data Center Spending Surgesを参照していただきたい。