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DeepSeekの次期モデルV5、NVIDIAを完全排除しHuawei製チップだけで訓練へ — TileLangによるCUDA代替という命題が問われる

11月4日、Rohail Saleemが「China Going For Domestic Full-Stack AI Dominance: DeepSeek Will Train Its Upcoming V5 Model From Scratch On Huawei's Ascend 950DT-Based Atlas SuperPoDs」と題した記事を公開した。DeepSeekが次期モデル「V5」の事前学習をHuaweiのAscend 950DTチップ群で完全に実施する計画、そしてその核心にある「TileLangというCUDA代替の中間層」が本当に機能するかという命題について詳しく紹介されている。

11月4日、Rohail Saleemが「China Going For Domestic Full-Stack AI Dominance: DeepSeek Will Train Its Upcoming V5 Model From Scratch On Huawei's Ascend 950DT-Based Atlas SuperPoDs」と題した記事を公開した。DeepSeekが次期モデル「V5」の事前学習をHuaweiのAscend 950DTチップ群で完全に実施する計画、そしてその核心にある「TileLangというCUDA代替の中間層」が本当に機能するかという命題について詳しく紹介されている。


NVIDIAを排除し、国産ハードウェアだけでフロンティアモデルを訓練する

DeepSeekが次期モデル「V5」の訓練を、HuaweiのAscend 950DTチップをベースとしたAtlas 950 SuperPoD(Supernodeとも呼ばれる)上で、最初から最後まで実施する計画であることが、X(旧Twitter)上の情報源JukanおよびteortaxesによりX上で報告された。なお本計画はいまのところ公式発表には至っておらず、これらはいずれも未公式の情報源に基づく報告である点に留意されたい。

V5のパラメータ規模については「約8兆パラメータ」との情報が一部で流れているが、現時点でDeepSeek側からの公式な数字は出ておらず、あくまで未確認の推測値として捉える必要がある。

実現すれば、中国として初めて、完全に国産ハードウェアスタックのみで大規模AI訓練を完結させた事例となる。


16万枚・総額約25.6億ドル規模の発注

DeepSeekはすでにHuaweiに対しAscend 950DTチップを16万枚発注済みで、納品は2026年第4四半期から本格化する見通しだ。内モンゴルに建設中の1GWデータセンターへの導入を想定している。

Ascend 950DTの市中価格は現在1枚あたり約11万元(約1万6,000ドル)で、NVIDIAのH20 GPU(1万5,000〜2万5,000ドル)と同等の価格帯だ。16万枚の発注総額は約25.6億ドルに上る計算となる。

チップのスペックは以下の通りだ:

  • アーキテクチャ: Huawei独自の第3世代DaVinci v3
  • 製造プロセス: SMIC N+3(7nmクラス相当)
  • メモリ: 144GB HiZQ 2.0 HBM、メモリ帯域幅4.0 TB/s
  • GPU間インターコネクト: 2.0 TB/s
  • 対応精度フォーマット: FP8、FP4、HuaweiプロプライエタリのHiF8

さらに、Atlas 950 SuperPoD構成では最大8,192枚のAscend 950DTを連結し、ピークAI演算性能8 EFLOPS(FP8)、カード間インターコネクト2 TB/sを実現する。


鍵を握るのは「TileLang」──CUDAに代わる中間層

今回の計画で最も注目すべき技術的要素は、ハードウェアとソフトウェアのスタックを丸ごと国産化しようとしている点だ。DeepSeekはHuawei Ascend向けに以下のソフトウェアコンポーネントを整備した:

  1. DeepSelect – 高性能TopKカーネル
  2. TileLang – AIカーネル最適化用コンパイラ
  3. DeepGEMM-Ascend – GEMMカーネル最適化
  4. DeepEP-Ascend – エキスパート並列通信
  5. TileKernels – ベクター演算・メモリアクセスカーネル
  6. FlashMLA – MLAアテンションカーネル最適化

中でもTileLangはCUDAに対するオルタナティブとして位置づけられる重要な要素だ。TileLangで記述したコードは、チップベンダーが単一のバックエンド適合を行うだけで済み、実行時に適切な実装が自動選択される。いわゆる「ハードウェア非依存の中間層」として機能する設計だ。

この最適化の成果として、DeepSeekのスタックをAscend上で動作させた際のMFU(Model FLOPS Utilization)は45%を達成した。以前のAscend 910Cで報告されていた約30%から大きく改善している。また、Ascend 950 SuperPoD 128カード構成の最適化では、スパースアテンション演算子がリードフェーズで410 TFLOPSを記録し、計算バウンドな処理でチップの理論FP8ピーク性能の**95%**に迫ったと報告されている。


「CUDAの構造的亀裂」──専門家の見方

Xユーザー@himsam181337(中国ビジネス・金融分野の専門家を名乗るアカウント)は、このプロジェクトの意義を次のように整理している。ただし同アカウントは匿名であり、以下のコメントおよびシェア数字は第三者による独立した検証がなされていない未確認情報として読む必要がある:

V5が成功した場合に検証されるのは「Ascendで大規模モデルを訓練できる」ということではない。本当に問われているのは、TileLangの「ハードウェア非依存の中間層」という方式が、フロンティアモデルの完全な事前学習ライフサイクルを支えられるかどうかだ。もしそれが成立すれば、国産コンピュートをめぐる議論は「どのチップのTFLOPSがH100に近いか」から「どのチップがTileLangへのバックエンド適合を深く持っているか、どのSupernodeが長期安定訓練においてより信頼性が高いか」へと移る。CUDAは約20年かけて開発者をソフトウェアスタックに囲い込んできた。DeepSeekとHuaweiが賭けているのは「次世代モデルの訓練コードは、CUDAから始める必要はない」という命題だ。なお、中国のAIチップ市場におけるNVIDIAのシェアはすでに95%から8%へと低下し、Ascendは50%に達しており、代替の勢いは一企業の選択では覆せない段階に来ている。

このうち「NVIDIAのシェアが95%から8%へ低下」「Ascendが50%」という数字は、同アカウントの発言に由来するものであり、現時点では公的調査機関や市場調査レポートによる裏付けが確認できていない。同様の傾向を示す報道は複数存在するものの、具体的な数値については参照元を確認した上で解釈することを推奨する。

いずれにせよ、DeepSeekのハードウェア移行の判断が、中国国内での国産チップ採用拡大という大きな潮流の中に位置づけられることは確かだ。V5訓練の成否は、TileLangという方式がCUDAエコシステムへの現実的な対抗軸となり得るかを示す、業界全体にとっての試金石になるだろう。


詳細はChina Going For Domestic Full-Stack AI Dominance: DeepSeek Will Train Its Upcoming V5 Model From Scratch On Huawei's Ascend 950DT-Based Atlas SuperPoDsを参照していただきたい。