11月5日、Peter Hallが「2026 election results show widespread opposition to AI data centers」と題した記事を公開した。2026年米国選挙において、有権者がAIデータセンター建設に対して広範な反対票を投じた結果を詳報している。
投票の背景:何が問われたのか
今回の住民投票は一種類ではなく、モラトリアム(一時的な建設凍結)、ゾーニング(用途地域)変更の是非、地方議員向けの諮問的投票など多岐にわたる形式で実施された。多くがオハイオ州に集中しており、2026年中に先行して6件が実施され、今回の選挙でさらに多数が加わった形だ。
データセンターは大量の電力と水を消費し、騒音や景観への影響も指摘される。AI需要の急増を背景に、テック企業や電力会社が地方コミュニティへの誘致を積極的に進めてきたが、地域住民側の受け止め方は必ずしも好意的ではなかった。こうした「地域との摩擦」が選挙という形で可視化されたのが、今回の結果である。
41回の投票で、データセンター側の勝利はわずか1回
2026年11月4日(米国時間)の選挙日、AIデータセンターに関する住民投票が10州で計41回実施された。翌朝までに大半の結果が判明したが、データセンター推進側が勝利したのはわずか1件だった。
唯一の「勝利」は、ノースダコタ州ハーウッドで起きた。同地では、データセンターを含む産業プロジェクトに追加審査を義務付ける提案が約3対1で否決された。ただしこれはデータセンター建設への賛成票ではなく、規制強化の否決という形であり、すでに近隣で30億ドル規模のデータセンター「Polaris Forge 2」(大規模AI向けクラウドインフラ施設)が建設中という文脈がある。
対照的に、メイン州ウェルズではデータセンター開発への180日間モラトリアム(一時凍結)を遡及適用する措置に80%超の賛成票が集まった。反対の規模と一致率は、全体を通じて圧倒的だった。
知事選でも「データセンター規制」が争点に
住民投票だけでなく、知事選でも同テーマが浮上した。テキサス州のGina Hinojosa、ジョージア州のKeisha Lance Bottoms、オハイオ州のAmy Acton——いずれも民主党の知事当選者——がデータセンター規制を選挙公約の柱に据えた。
中でもテキサス州の動向は業界全体に直結する。同州は米国で建設中のデータセンター容量の約4分の1を占めており、規制が強化されれば国全体のAIインフラ拡張ペースに影響が及ぶ。
株式市場も即座に反応
選挙結果を受け、翌日の市場ではAIデータセンター関連銘柄に売り圧力がかかり、投資家の懸念が即座に価格へ織り込まれた。元記事では具体的な銘柄・指数の動向が報告されているが、規制リスクの高まりが市場心理に影響したという構図は明確だ。
OpenAIの最高グローバル政策責任者であるChris Lehaneは、同記事中のコメントとして「AIは2028年大統領選の最大の争点になる」と述べており、今回の選挙結果はその見立てを裏付けるものとなった。
AI拡張計画が直面する「民主主義の壁」
今回の選挙結果は、AI拡張計画が抱える「地域との摩擦」が、もはや無視できない規模に達していることを示している。オハイオ州ではさらに3件の投票が控えており、反対運動の勢いが継続するかどうかが注目される。データセンターの電力消費問題や地域負担の在り方は、米国内外で政策議論の焦点になりつつある。
詳細は2026 election results show widespread opposition to AI data centersを参照していただきたい。




