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AnthropicがAP通信と初のライセンス契約 — スクレイピング頼みの方針を転換、生成AIと著作権の潮流に合流

11月5日、The Decoderが「Anthropic reverses course and pays for news content for the first time」と題した記事を公開した。AnthropicがAP通信との間で初めてニュースコンテンツのライセンス契約を締結したという報道で、同社がウェブスクレイピングに依存してきた従来方針を大きく転換したことを伝えている。

11月5日、The Decoderが「Anthropic reverses course and pays for news content for the first time」と題した記事を公開した。AnthropicがAP通信との間で初めてニュースコンテンツのライセンス契約を締結したという報道で、同社がウェブスクレイピングに依存してきた従来方針を大きく転換したことを伝えている。


フェアユースを根拠にしたスクレイピング方針からの転換

Anthropicはこれまで、パブリッシャーのコンテンツをウェブスクレイピングすることは**フェアユース(米国著作権法第107条に基づく公正利用の法理)として合法**だと主張し、ライセンス契約を積極的には結んでこなかった。その方針が、2026年11月5日の米中間選挙(Midterm Elections)投票日にあわせた形で大きく変わった。

Adweekが事情に詳しい2名の関係者の話として伝えたところによると、AnthropicはAP通信(Associated Press)との間でライセンス契約を締結した。この契約により、AnthropicのチャットボットClaudeは選挙夜にAPのリアルタイム選挙結果を表示できるようになり、ソース(出典)の明示も行われた。契約の金額や期間は非公開だ。

なお、元記事においてAnthropicがフェアユース主張を法的に「撤回」したという明示的な記述はない。今回の契約はあくまでライセンス合意の締結であり、フェアユースを根拠とした法的立場を正式に撤回したかどうかは現時点では不明である点に留意したい。

生成AIと著作権訴訟——加速する業界全体の潮流

生成AIと著作権の対立は、業界全体で激化している。OpenAIはThe New York Timesから著作権侵害で提訴されており、Anthropicも複数の音楽出版社から学習データに関する訴訟を受けている。こうした訴訟の多くは、AIモデルの学習における著作物の無断使用がフェアユースの範囲に収まるかどうかという点が核心となっている。

この文脈でライセンス契約は、訴訟リスクを回避しつつコンテンツへの合法的なアクセスを確保する手段として、業界全体で急速に広がっている。OpenAIはすでに12件以上のパブリッシャーとライセンス契約を結んでおり、Axel Springer、News Corp.、The Atlanticなどが名を連ねる。AnthropicはこうしたOpenAIの動きより後発となる。

パブリッシャー側の対抗戦略と、Claudeの弱点

ライセンス契約なしでスクレイピングを続けてきたAnthropicには、時事性の高いクエリにClaudeが十分対応できないという実質的な弱点があった。この状況を利用したのがパブリッシャー側だ。複数のパブリッシャーがAnthropicのクローラーを意図的にブロックし、交渉テーブルに引き出す戦略をとっていた。コンテンツへのアクセスを制限することで、ライセンス料の支払いを実質的に促す構図だ。

AP通信はかつてGoogleおよびOpenAIの最初のライセンスパートナーでもあった。今回のAnthropicとの契約でも同様の先導役を果たした形となる。

IPO準備期との重なり——リスク管理の側面

※編集部の考察:Anthropicは現在、株式公開(IPO)を視野に入れているとされている。フェアユースを根拠としたスクレイピング方針が著作権訴訟リスクを累積させ続ける状況では、上場前にリスクを整理する動機は十分にある。今回のライセンス契約は、コンテンツ戦略上の方針転換という側面に加え、IPO準備に向けた法的リスク管理の一環である可能性も考えられる。ただしこの解釈は元記事に明示された内容ではなく、編集部の推論である。


詳細はAnthropic reverses course and pays for news content for the first timeを参照していただきたい。