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Deep Dive

ClaudeがChatGPTの牙城を崩しつつある — 英国のAI課金データが示す「ユーザー数より単価」で勝つ逆転劇

11月7日、My Electric Sparksが「Claude Quadruples UK Consumer AI Spending Share As ChatGPT Lead Shrinks」と題した記事を公開した。英国の消費者AI支出において、AnthropicのClaudeがわずか7ヶ月で支出シェアを約4倍に拡大し、ChatGPTのリードを急速に切り崩しているという。ユーザー数では依然ChatGPTが圧倒しているにもかかわらず、支出シェアでは肉薄するという逆転劇の背景に迫った内容だ。

11月7日、My Electric Sparksが「Claude Quadruples UK Consumer AI Spending Share As ChatGPT Lead Shrinks」と題した記事を公開した。英国の消費者AI支出において、AnthropicのClaudeがわずか7ヶ月で支出シェアを約4倍に拡大し、ChatGPTのリードを急速に切り崩しているという。ユーザー数では依然ChatGPTが圧倒しているにもかかわらず、支出シェアでは肉薄するという逆転劇の背景に迫った内容だ。


Claudeのシェアが7ヶ月で7%→29%へ

英国の消費者向けAI支出市場で、Claudeが急速にシェアを伸ばしている。ウォーリック大学のNikhil DattaとPeter John Lambert、インペリアル・カレッジ・ビジネススクールのPatrick Schneiderが共同執筆したワーキングペーパー「Who Pays for AI」によると、英国の直接課金ベースの支出シェアにおいて、Claudeは2025年12月の7.4%から2026年7月には29.4%へと約4倍に拡大した。同期間にChatGPTは73.5%から52.5%へと後退している。

なお、ワーキングペーパーとは査読を経る前の段階で公開される研究論文を指す。正式な学術誌への掲載前であるため、今後の査読過程で内容が修正・更新される可能性がある点は、データを参照する際の前提として押さえておきたい。

このデータは、1,420万件の英国銀行・カードアカウントの匿名化された取引記録をもとにしており、2022年1月から2026年8月にかけて週約800万件の取引を追跡したものだ。対象は個人が自腹で購入したサブスクリプションのみで、雇用主が払う法人ライセンスは含まない。200以上のAIプロダクトに対して、明細テキスト・プラン価格・リリース日を照合して計上している。

なお、アプリストア経由の決済は直接確認できないため推計値が用いられており、それを加味するとClaudeのシェアは29.4%から22.8%に下がる。論文はこのギャップを明記しており、数字の読み方には注意が必要だ。


「ユーザー数」ではなく「単価」で勝つClaudeの構造

興味深いのは、ユーザー数ベースと支出ベースのシェアに大きな乖離がある点だ。**有料サブスクライバー数ではChatGPTが71.2%、Claudeが27.1%**と依然ChatGPTが圧倒している。にもかかわらず支出シェアでClaudeが肉薄しているのは、高額プランを選ぶユーザーの割合が高いからだ。

月額80ポンド以上の高額プランを契約しているユーザーの割合は、**Claudeが6.2%に対してChatGPTはわずか0.3%**。Claudeはパワーユーザー層に強く、単価の高いプランで支出シェアを押し上げている構造だ。なお、80ポンドは本記事執筆時点(2025年11月)の為替レートで換算すると約1万5千円程度に相当するが、為替変動があるため目安として参照されたい。

市場全体では、英国の成人が2026年7月のペースで年換算するとAI支出は約10億7,000万ポンド規模に達する。同様に執筆時点の為替レートを目安に換算すると約2,000億円相当だ。有料サブスクライバーは2026年6月時点で成人の約5.1%、約280万人で、1年前の2.3%から倍増している。


Claudeの急伸:論文が示す2025年11月以降の転換点

シェアの急上昇には明確な転換点がある。論文の図表では2025年11月24日以降に支出ラインが急勾配で上昇している。論文はこのタイミングと特定製品リリースとの因果関係を断定しているわけではなく、あくまで時系列上の変化として記録しているものだ。転換の要因については、論文の続報や今後の査読過程での議論を待ちたい。


Googleは大きく離された3番手

Google Geminiは2026年7月時点で直接課金シェアが**5.1%**(2025年12月比で5.8%から微減)にとどまり、上位2社から大きく離されている。残りの13.0%はその他のプロダクトが分け合う形で、市場はほぼClaudeとChatGPTの2強構図だ。


職種・地域で偏るAI課金の分布

職種別ではITプロフェッショナルの20.3%が自腹でAIサブスクリプションを契約しており最多。金融・保険系が15.8%で続く。職種別の傾向として、ソフトウェア・ITエンジニア、金融系、研究者はClaudeを選ぶ傾向があり、教育・医療・HR系はChatGPTに偏る。

地域では**ロンドンの有料普及率が6.8%**と、ロンドン以外の3.6%の約2倍。ケンブリッジ、オックスフォード、エディンバラにも集中が見られ、テック系の雇用が多い都市ほど課金率が高い。

性別では当初は男性・高所得者が多数を占めていたが、新規サブスクライバーに占める女性の割合は現在ほぼ半数まで上昇している。


ウォーリック大学のPeter Lambertは「何百万人もの人々が毎月自腹でAIにお金を払っている。成人の約20人に1人しかまだ契約していない段階でこの数字は驚異的だ」とコメントしており、今後の焦点は無料ユーザーがどれだけ有料に移行するかだとしている。

詳細はClaude Quadruples UK Consumer AI Spending Share As ChatGPT Lead Shrinksを参照していただきたい。